2004-04-01から1ヶ月間の記事一覧

監督:ピエルジョルジョ・ガイ ブルーノ・ガンツが、はまり役でよい味を出している。元KGBのスパイなのだが、『ベルリン天使の歌』と同じような感じ。イタリヤ語などてんで分からないが、なるほど、ブロークンと言う感じで訥々と語る語り口がいかにも誠実そ…

山田風太郎『地の果ての獄』

山田風太郎、『地の果ての獄』。これもイイ!北海道の監獄が舞台で、『警視庁草紙』や『幻燈辻馬車』とは、全然背景の趣が違うし、監獄の視点から書かれているのだが、時代の流れは続いている。ドク・ホリデイとか”西郷を撃った男”など、明らかに西部劇を意…

また、マノエル・ド・オリヴィエラにやられてしまった!と言う鮮やかなラストシーン。何故?と問いかけたくなるが、理由など多分つけようもなく、事件とはそういうものだ、と言うしかないようなあっけなさで、衝撃が我々に刻印され、呆然とまた席を立つこと…

『幻燈辻馬車』:山田風太郎

ちくま文庫の山田風太郎明治もの、4巻まで読了。忍法帳ものも面白いが、小説としては明治ものの方が面白い。忍法帳はまず仕掛けに目がいくが、明治ものは仕掛けもさることながら、何より登場人物が素晴らしい。仕掛けや構成の緻密さも見事で、忍法帳よりも…

ギターとエレピの弾き語りで、途中休憩入れて3時間、26曲。 セットリスト: http://www.somethingfine.com/jb/whatsnew.html 途中から完全にリクエスト大会になって、御客の叫ぶリクエストを演奏するという珍しい進行。スライドギターまで弾いてくれまし…

Supercar ”ANSWER”

http://homepage2.nifty.com/tvc15/pg/p1/main.html で、デビッド・ボウイが『イイ!』と言っているのを読んで、スーパーカー "ANSWER" 聞いてみました。これ、すんごくいい!Radiohead なんかよりもずーっといい!と思う。こんな素晴らしいバンドも知らずに…

David Bowie ”TOKYO 1978”

西新宿でブートレッグ購入。1978年の Low & Heros ツアー。NHKでそのころ放送していた(と言っても何ヶ月に一度だったと思う)"YOUNG MUSIC SHOW"(死語!)の録画。20年以上前に見たままで、ずーっともう1度見たかったものが、こうして手に入る日が来…

『森茉莉・贅沢貧乏暮らし』

作家の私生活や家の写真集というと、澁澤龍彦の自宅の写真集(篠山紀信撮影だった?)がまるで絵に描いたように見事な澁澤龍彦の世界で、一つ一つのコレクションがまるで主の不在に口をつぐんでしまった妖精の化けた姿のようで、感動したのを思い出すし、三…

と言う意味では、ペドロ・コスタ監督『ヴァンダの部屋』も一脈通じるところがあるか。たまたま同じ日に読んだ&見た故の、偶然のなせるこじつけだが。あまりの撮影の鮮やかさ、演出とドキュメンタリーが一体となったかのような手捌き、あまりに見事で何か衝…

山田風太郎『警視庁草紙』読了。忍者帳シリーズと比べて、登場人物の哀感や共感が一層つのる世界。幕末の動乱は過ぎ、勝者は驕り敗者はうらぶれゆく、されど、未だ傷口は生々しく、血は固まるに至っていない。そんな近代への移行期を舞台に筆が冴えわたる。…