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- 監督:ピエルジョルジョ・ガイ
- ブルーノ・ガンツが、はまり役でよい味を出している。元KGBのスパイなのだが、『ベルリン天使の歌』と同じような感じ。イタリヤ語などてんで分からないが、なるほど、ブロークンと言う感じで訥々と語る語り口がいかにも誠実そうで何とも言えない。これでは、元スパイと言われても信じられない(笑)。
- 『それはあなたの詩?ジム・モリソンでは?』というのは可笑しかった。
- 主演のセルジョ・ルビーニも、渋い二枚目風でいて、喜劇をちゃんとこなせると言う感じで、好演。出番少なかったけど、奥さん美人。
- 子供部屋の星のランプとかああいうのいいなあ。
- ちょっとしたバイクのシーンでも、坂や曲がり角があるだけで、イタリヤだと様になってしまうんですねえ。
- よくこういう話が新聞にも出ているが、こういう話が、変におどろおどろしくならずに、さらっとした小説みたいになるのがヨーロッパらしくて、というか、騒々しくて喜劇になるのがイタリア的というか、粋である。大作でも、感動作とか、そういううざったい宣伝文句が付く訳でもなく、こういう秀作がさらっと転がっている国がうらやましい。