森茉莉:『ベスト・オブ・ドッキリチャンネル』

  • 化石の美しさというか、明治と現代が繋がっているタイムスリップの驚きというか、何とも凄い人だったんですね。。。悪口は女の文化、と言ったら、差別的かもしれないが、ここまで言ってここまで許される人は他に考えられない。男の悪口は、どんなに洒脱であっても、その結果の勝ち負けみたいなものがどうしても残ってしまうのだが、何も失うものなど今さらないし気兼ねなど生まれてこの方したことがない、言いたいことは言いたいように言う、と言うこの爽やかさ。全てを、自分の好き嫌い、で一刀両断するこの切れ味。理屈じゃないから爽やかなのだ。
  • 判断基準は、”パッパ” 鴎外と『明治』の静養軒やらなんやらと御仏蘭西の『巴里』が良くて、駄目なものは自分の昔の旦那。室生犀星三島由紀夫に褒められたんだから、あたしには力がある。嫌みを嫌みと思わせる前に、へへえ、と言わせる、この堂々たる自信。あまりに純粋な正直さは、高貴と呼ぶに相応しい。何せ、彼女は見ていた、そして生きていたのだ、明治の世を、大戦前の巴里を、…。その時代の人間が、沢田研二やらタモリやら、80年代初頭のテレビを語る。こんな不思議な本があるだろうか?
  • 大前研一の『チャイナインパクト』も読了。中国で何が起こっているのか、非常に勉強になった。台湾となし崩し的に一体化してしまうと言うのも、十分あり得るくらい今の中国には大きな変化が起こっているのだと言うことがよく分かった。2年前に読んで、中国株買っておけば良かった。メガ・リージョンとリージョンでつきあう、と言う考え方は色々参考になった。