• 監督:パオロ・ヴィッツ
  • 今年はちゃんとプログラムを検討せずに、行き当たりばったりで当日券で見ているのだが、2作続けて当たりという感じ。
  • まず、あのロクでもない教師のお父さん、いかにもイタリヤのコメディアンという感じで、のっけから笑わせてくれる。話を全く聞いていないのに、授業が終わるやいなや、出ていく生徒達のあの勢いのすごさも、さもありなん。本当は結構可哀想なのかもしれないけど、最後に娘に『いなくても気にならなくなった』と言われてしまっても、『あはは、そりゃそうだ』と笑い飛ばせる。お父さんの芝居、見事。
  • しかし、何と言っても、少女達のキャスティングが絶妙。主人公のカテリーナ、副大臣の娘、ヒッピーかぶれの娘、よくこれだけぴったり、という感じの娘を集めた。その上みんなうまい。大きなまぶたのちょっと眠そうでふくよかなこの少女のいかにもイタリヤという美しさ。副大臣の娘も運転手にひっぱたかれて泣きべそ書いてみせる当たり、なかなかおとなの国という感じでいい。ヒッピーかぶれの娘も駄目親父に向かって、吠えるところが、ちゃんと筋が通っていて堂々としたもので、キーキー言っているだけでもないところが非情によい。
  • 後、お母さんの皮肉も理解しないボケっぷり、皿を自分で割ってすぐに自分で片づけ始める当たり、なんとも良い味の演出。
  • 未だに、イタリアでは、右翼とか左翼って、思想じゃなくて、階級と生まれなのかなあ。未だに、あんなに都会と地方という対立軸が鮮明にあるようなお国柄なのかな?ああいうお嬢さんも公立の学校に本当に行くのかな?現地の人に聞いてみたいな。
  • 最後に、カテリーナが初めて自分の意志で行動を起こすところが、さわやかですがすがしく良かった。