小石川植物園散策

HP:東京大学大学院理学系研究科附属植物園
 年内は開園が今日までだったので、午後から行ってきた。久しぶりに大きな木の下や林の中を歩くのは、気持ちが良かった。
 メンデルの葡萄

ニュートンの林檎

も拝んできた。メンデルがいた修道院の葡萄とニュートンの実家の林檎の苗を明治時代に貰ってきたのを、ずっと育てているらしい。ニュートンの林檎は世界中に苗が配られて、あちこちで育てられているんだそうだ。どうりで万有引力をバリバリ感じると思った(意味不明)。


 『精子発見六十周年記念』というやたらインパクトのある碑があったので、何だと思ったら、銀杏の精子を発見した記念だった。この植物園はもともとは赤ひげで有名な小石川療養所の薬草園で、明治時代に東大の付属植物園になって現在に至る。園内にも東京医学校の建物が重要文化時として残されている。もともとはお屋敷なので、日本庭園もでっかい鯉が一杯泳いでいるし、立派なものである。そういう由緒が山のようにあって、今も本分は研究用の植物園であるので、非常にアカデミックである。エンタメ的な要素は何もなく、一応一カ所茶店のような売店があるくらいである。その意味では、非常にマニアックというか、硬派である。一つ一つの植物にはちゃんと札がつけられている。


 入場券は向かいの煙草屋で買う、というのが、なんか変で笑ってしまった。


 おみやげ物みたいなものは、入り口の脇のパンフレットの自動販売機くらいである。絵はがきを買ってきた。段ボールに挟まれて出てくる。段ボールは脇のごみ場で回収される。なんか、すごく丁寧で、エコである。

 これだけの施設を維持するのは大変だろうし、独立行政法人化したんだから、こじゃれたおみやげ物屋とカフェの一つくらいあっても不思議ではないが、東大予算に困っていないなあ、というか、学術の本分を見失っていないなあ、というか。あの日本庭園とか池は別に学術用途とも思えないし、だから一般公開しているのだろうし、俗物的には銀杏のご紋付のコーヒーカップとか、花の絵皿くらい売ってても良いと思うけどな。結構年配の人多いし、商売になりそうな気もする。でも、一番欲しいなあ、と思ったのは、あの土(笑)。あれだけ木が茂っていれば、土質もきっとよさそうだ。温室は開館する日じゃなかったけど、外から見る限りでも山のように植物があって、ベランダでスペースに苦労しながら花を育てている素人園芸家にしてみれば、目の毒としか言いようがない。いいなあー。まあ、花を育てるためじゃなくて、研究のために植物を育てているんだろうけど。


 この季節でもパラパラと人はいるけど、静かで気持ち良い。あ、お犬さまは立ち入り禁止。
 冬なので花はあまりないが、椿があちこちで咲いていた。後はヒマラヤユキワリソウとかナンテンなどが見ごろだったくらい。





 それでも、落ち葉を踏んで歩くのは気持ちが良い。気持ちの良い午後だった。