フレデリック・ワイズマン:「病院」、「チチカット・フォーリーズ」

 Frederick Wiseman、すごい、すごい、と言うことなので見てきました。
http://kanazawa-comcine.to.cx/event/event05/gokui03/index.html
日々是映画(フレデリック・ワイズマン)
 そうか、この人、弁護士なのか?!ちゃんとサインさせているんだ。その上であそこまで撮るのか・・・。極道だね、本当に。
 見ているときは知らなかったけど、1967年の「チチカット・フォーリーズ」のほうが、最初と最後を学芸会にするとか、作品っぽくしているけど処女作なんだ・・・。1970年の「病院」の方がそのまんま。いずれにしても、音楽無し、ナレーション無しの、純ドキュメンタリー。それが、見ていて飽きないのが本当に不思議だ。
 こういうのを撮るのは、ものすごく狡猾な準備とか仕掛けを裏でしているか、ものすごくついている人なのか、と考えがちだけれど、この人は良い狩り場を知っているハンターなのかもしれない。
 「病院」で張っていれば、病や怪我をした人がやってくる。そこでは、その人の人間性や生活が全て露呈してしまう。それにしても、おちんちんが痛くて、看護婦(女医さんかな?)さんに検診されると情けなくて泣き出してしまい、癌だ!と思い込んでしまうようなオッサンにどうやって撮影許可のサインを貰ったんだろう。さすが、アメリカの弁護士だ・・・。
 「チチカット・フォーリーズ」も、プライバシーを理由に、合衆国裁判所で一般公開が禁止された唯一の映画、ということだけれど、成る程、精神病院刑務所にいれば、それは、撮るものに不自由はしないだろう・・・。
 そういう主題を、ここまで「そのまんま」というのもすごい話だよな。
Frederick Wiseman - Wikipedia
Zipporah Films