「アオイホノオ」(2): 島本 和彦

アオイホノオ 2 (少年サンデーコミックススペシャル)

アオイホノオ 2 (少年サンデーコミックススペシャル)

 こんなにマニアックなオタク話、若い人がどれだけついて行けているんだ?と心配になるけれど、あの時代を知っている人には、このオタクの世界に詳しくなくても面白い。
 ビデオデッキはまだ出たばかりで高嶺の花、憧れの的で、必死に一回見て記憶しようとしていた時代というのが昔はあった。それが、録画して何度でも見ることが出来るようになると、逆にそうして食い入るようにしてみる番組も少なくなっていったような気がする。何度でも繰り返して見ることが出来ると、それは「経験」ではなくて、「テキスト」になってしまい、モノ化するんだろうか。
 このころはSFがマンガやオタクの世界とぴったりくっついていたが、今でもSFというのはジャンルとしてあるんだろうか?なんだか、荒唐無稽なセンス・オブ・ワンダーの面白さというのが、成り立たなくなってしまっているような気もする。私が知らないだけなのかもしれないけれど。