「海の沈黙」監督 J.P.メルヴィル

asahi.com : 朝日新聞社 - フランス映画の秘宝〜シネマテーク・フランセーズのコレクションを中心に〜

1947年/88分/35mm/白黒
監督:ジャン=ピエール・メルヴィル
(Jean-Pierre Melville 1917〜73)


 1941年、ドイツ統治下のフランス。若く美しい姪と二人暮らす老人の家に駐留してきたドイツ人将校が下宿することになる。二人は、決してドイツ人将校に口を開かず、あたかも、彼がそこにいないかのように振舞う。しかし、ドイツ人将校は舞夜暖炉の二人の前に姿を表し、とはず語りに自分のフランスへの思いを語る。しかし、二人は沈黙を守るのみだった・・・。
 この沈黙の息苦しさがサスペンスとして成立してしまうのが面白い。そして、こういう主題を扱っても、実にメルヴィルらしい「仁義」の話になっているのが、感動的。

残酷な命令に従わない兵士は素晴らしい
アナトール・フランス

海の沈黙 星への歩み (岩波文庫 赤 565-1)

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