イタリア映画祭(2)

13:00 『日々と雲行き』
2007年/116分 監督:シルヴィオ・ソルディーニ(Silvio Soldini)
15:55 『ヨーロッパ2005年、10月27日』
2006年/12分 監督:ジャン=マリー・ストローブ、ダニエル・ユイレ(Jean-Marie Straub, Danièle Huillet)
『百本の釘』
2006年/92分 監督:エルマンノ・オルミ(Ermanno Olmi)
18:30 『カラヴァッジョ(原題)』
2006年/137分 監督:アンジェロ・ロンゴーニ(Angelo Longoni)

 今日も3本、パスタもゲット。これで6本。後は、最終日と夜の上映でパスポート券の元は採れそう。今日は出がけにiPod忘れたので、つい買い物までチョコっとして(お酢、ワカメ、梅干し)家に引き換えしたので1本目は滑りこみ。さあ、帰ったら葱ぬた作ろう。
 今日は非常に期待の高いプログラムだった。ソルディーニ、オルミ、ストラーロ。まあ、実力通りの手堅い作品が並んだかな。



 『日々と雲行き』は、50位の男が自分で起こした会社を追い出されて失業して、家族の関係が軋んだり、今まで見逃していたものに気がついたりするという話。何とも苦い味わいの話。ジェノバの寒そうな空気が身に迫ってくるようなフィルムの質感が良い。娘役の女優さんが来てあいさつとQ&A。絵画の中から出てきたようなやさしくておっとりとした、いかにもイタリアらしい可愛らしいお嬢さんだった。役どころは、出てくると親父と口論してはつむじ風のように又飛び出していってしまうという役だったので、そのギャップが面白かった。ブーツが片方ずりっとなっていたのが可愛かった。
  『ヨーロッパ2005年、10月27日』って、何の日だったんだろうか?毒ガス室電気椅子?公式カタログ見れば、説明書いてあるんだろうけど、これは事前に教えてくれないと、分からないよ、普通。これ、何買い繰り返すんだろうと思って見ていたけど、5回やるとは。2回目では3回はやるなと思ったけど、4回目が出てきた時めまいがしたので、この後何食べようかな、と考えていた。
 『百本の釘』は、若い哲学の教授が「本の中に真実はない」と、歴史図書館の古書100冊を広げて、一冊一冊を図太い釘で床に打ちつけて、失踪してしまう、という話。彼はポー側の岸辺の廃墟に住みつく。そのあたりの国有地に住みついている人たちとの交流が始まるが、たちのきを迫られ、・・・というこの話って、70年代の作品といわれても信じてしまいそう。実際、色彩やフィルムの色もそんな感じ。釘を打ちつけられた本が広がっているは様、インパクトがあって、ちょっと見ものではある。田舎の空気とか、川の流れとか、そういうところのタッチは、さすがに骨太に迫ってくる。悪くはないんだけど、時代感覚としては微妙といえば微妙。でも、オルミはオルミなんで、それで良いと言えば良いんだけど、哲学の教授とか本に釘というモチーフが出てくるところが、意外といえば意外。それと、パン屋の女の子の役のことか、女優っぽくないというか、美人でもなんでもないけど土の匂いがしてきそうな、ああいう素人(かな?)っぽい人をそのまま使うのが、オルミらしいよなあ、と思って見てた。
  『カラヴァッジョ(原題)』は、アップが多すぎ。ビデオとかテレビ用には良いんだろうけど、映画の撮り方じゃないのでは。でも、螺旋階段のところとか、カメラの動きはさすがに魔術師。この手のものとしては、そんなに悪くはないけど、この手のものだなあ、という感じ。美術はさすがに半端じゃないけれど。