ネット公開された「最後の晩餐」

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イタリア・ルネサンスの代表的芸術家レオナルド・ダビンチの壁画「最後の晩餐」が、160億画素という非常に高い解像度の画像で28日までにインターネット上で公開された。1000万画素のデジタルカメラによる画像の1600倍の鮮明さだという。AP通信などが伝えた。

 日経のニュース記事で知ったのだけれど、新聞社のHPには相変わらずリンクどころかURLもない。リンクと著作権の問題を考えて、全社的にこういう方針になっていると言うことなのだと思うけれど、それってなんのためにインターネットで記事を配信しているのか分からない。Web2.0どころか、Webマイナス2.0位ではないか。要は検索すれば済む話なんだけど、あまりの馬鹿馬鹿しさにあきれてしまう。こうして既存のメディアは廃れ、グーグルの天下になっていくんだよなあ。
 160億画素って、16000メガ=16Gピクセルか。フルHDが2000×1000=2メガ画素だから、フルハイビジョンの8000倍ということか。さすがに、これは凄いわ。試しに最高倍率まで上げてみたけど、ここまでやるともうなんだか分からない(笑)。今は世界中からアクセスが殺到しているだろうから、かなり重い感じになっている。
 最近のデジタルシネマでは4000×2000画素の解像度も始まっているけれど、実はあれですらオーバースペックではないかという説がある。映画のフィルムの解像度は、マスターはともかく実際に劇場でかけられるプリントの解像度はフルHD以下ということも多いようだ。従って、こういう高解像度技術というのはオーバースペックではないか、という議論になる。動画の方が解像度に対する要求は低い筈なので、デジタルシネマとこういう静止画を単純に比較する訳にはいかないが、これは普通に見る分には十分にオーバースペックであることは間違いない。
 では、何故こういう技術が必要になるかというと、学術研究や保存のためだ。アーカイブするなら、その時点で入手可能な限りの最高の技術で残しておくべきだ、ということだ。こういうアーカイブのコンセプトや哲学に関しては、やはり、欧米はすごい。多分、技術的には日本の技術も入っているのだと思うけれど、実際に記録したり活用するのは日本よりも欧米が先だったりするのだろうな。200年程度の歴史しかない癖に、アメリカだってアーカイブするものは映画でも何でもきっちり保存していたりする。国の文化政策もさることながら、篤志の収集家とか大金持ちのコレクターがきっちり自分の趣味のために保存して、それを寄付したりするというのが大きいのだろうな。超大金持ちにしてみれば、世界で自分だけしか持っていないと言うものが欲しくなる訳だろう。でも、それで文化遺産が保存されるなら、それは意義のあることだと思う。お金持ちであるからには、それなりにあこぎなことをやって稼いだのかもしれないが、それでもお金の使い方は知っている、というのは、憎らしいが、まあ、最低ではない。