「海神記[下]」 (光文社コミック叢書〈SIGNAL〉: 諸星 大二郎
海神記[下] (光文社コミック叢書〈SIGNAL〉 (0007))
- 作者: 諸星大二郎
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2007/08/31
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 1人 クリック: 11回
- この商品を含むブログ (18件) を見る
超自然的な化け物も出てこないし、地味といえば地味なんだけど、ここで未完になるのはあまりに惜しい。でも、これはちゃんとしたわかりやすい解説が必要だ。タネをなかばばらすことになっちゃうけど、マンガ読んで、解説読んで、もう一回マンガを読まないと。めんどくさいけど、そのくらいの価値はあると思う。誰か、古代史とか民族学とか考古学の顕学がこの面白さを語ってくれないものだろうか。
とはいっても、そういう難しい話抜きでも面白いんだけど。あとがきで著者自身が「神とは世界を語る言葉にほかならない」と言っている。それは、まさに下巻のクライマックスの巫女の神がかりのシーンのことで、ここで巫女は神を語っているが、それが部族間の同盟の理由付けそのもので、政治が「まつりごと」であった時代というのは、まさにこんな感じだったのか?と、このスケールの大きな想像力に圧倒される思いがする。