「私家版魚類図譜」: 諸星 大二郎

私家版魚類図譜 (KCデラックス モーニング)

私家版魚類図譜 (KCデラックス モーニング)

 何だか前にもこういうパターンあったんじゃなかったっけ、と思いつつも、やっぱり面白い諸星ワールド。まあ、書いてる方も読んでいる方も長いことやっているわけで、‥‥‥。でも、やっぱり昔に比べると、丸くなったというか、不気味なユーモアが上手くなったなあ、と思う。「深海人魚姫」は、不気味だけどなんだか切ない。「鮫人」は、この鮫人の絵が不気味でいい。「魚が来た!」は、なんか良くあるパターンのような気がするなあ。「魚の学校」は可笑しい。最近はこういうのが上手いんだよね。「魚の夢を見る男」は、久々に古典的なSF読んだような気が。「深海に還る」は、最初の人魚姫の結末編。なんか、大人の話。「ネタウナギ」は、下らないんだけど、オマケらしいオマケで、オマケならではのお得感(書き下ろし)。
 SFと言うだけで、古いかなあ、と言う気がするけど、まあ、そこが逆に新鮮であったりする。やっぱり、諸星大二郎は時々読みたくなるんだよなあ。