鴛鴦(おしどり)歌合戦@東京国立近代美術館フィルムセンター、日本映画史横断②・歌謡・ミュージカル映画名作選

1939年(日活京都)69分・35mm・白黒、(監)マキノ正博(脚)江戸川浩二(撮)宮川一夫(美)長谷川繁吉(音)大久保徳二郎(出)片岡千恵蔵、香川良介、志村喬ディック・ミネ服部富子市川春代、深水藤子、遠山満、尾上華丈、石川秀道、楠榮三郎、近松竜太郎、福井松之助、富士咲美

 そろそろ正月気分を断ち切らねばならないと思い、ちゃんと朝起きて、社会生活復帰のリハビリとばかりに(?)1本目から見に行ったのだけれど、これを久しぶりに見たら、一気に正月気分がぶり返してしまった。まあ、仕事始まるとこんな事やっていられないし(ホントだな?と自問自答)。♪こ〜れ、これ、これ、この茶碗、♪ぼ〜くは若い殿様〜、♪日〜傘さす人、作る人、と〜かくこの世はままならぬ〜。
 なにげにカメラが宮川一夫大先生だったりする。さりげなく随所で、カメラの移動が絶妙。日傘のデザインのモダンさも見事なセンス。時代劇なのに「このヒステリー!」なんてセリフの混じるいい加減さの加減もばっちり。同じ歌が何回か繰り返しで別の人物が歌う形で出てくるのだけど、もうその歌が始まるところで笑い転げてしまう。
 そのうち、DVDからMP3にして、サントラ自分で作ろうかなあ。‥‥。DVD持ってるんだよな、そういえば、これ‥‥。持ってるだけで、取りあえず満足してみていなかったな‥‥。これ、スクリーンで見るの3回目くらいかな‥‥。
 それにしても(気を取り直す)、この明朗さ。何なのだ、この明るさ、この楽しさ。リメイクしても、あのおっとり、ほのぼのした可笑しさ出せる役者も歌手も、もういないだろうなあ。ぅん、もう、おとっつあんたら。面目ない。
 1939年、4月5日に映画法が公布され、10月1日施行。「劇映画脚本の事前検閲」「外国映画の上映制限」「年少者の観覧制限」「文化・ニュース映画の義務上映」が強制される。5月3日、4日、 日本軍、重慶を大規模空爆。5月11日、満州と外蒙との国境付近のノモンハンで、外蒙軍と日本の関東軍満州国軍が武力衝突。アメリカでは「駅馬車」「風と共に去りぬ」が公開される。この映画が公開されたのは12月14日。新春映画と言うことだったのだな。歴史的な名作という類の映画ではないけど、時節に対する心意気か、こんな映画は作れなくなるかもしれないなどと考えていたのだろうか。などと考えるのも何だが、何となく調べてみたら意外だった。もう少し古い映画かと思っていたけれど。後で、マキノ雅弘の「映画渡世」を調べてみようかな。
http://www001.upp.so-net.ne.jp/fukushi/year/1939.html
鴛鴦歌合戦

鴛鴦歌合戦 コレクターズ・エディション [DVD]

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映画渡世・天の巻―マキノ雅弘自伝
映画渡世・地の巻―マキノ雅弘自伝