「ブラック・ダリア」@新文芸座
「ブラック・ダリア」公式HP‥‥だった
は無くなってしまったみたいだ。全然違うサイトになっているのでびっくり。昨日の公開を最後にして、元々このURLを持っていた会社に返したんだろうか?全然映画とイメージが違うアパレルの会社になっている‥‥。
http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=4925
THE BLACK DAHLIA(121分、R−15指定)
監督:ブライアン・デ・パルマ
出演:ジョシュ・ハートネット、アーロン・エッカート、スカーレット・ヨハンソン、ヒラリー・スワンク、ミア・カーシュナー 他
別に、渋谷の歯科医兄妹の遺体切断殺人事件に刺激されて見に行った訳ではないのだが、タイミングがドンぴしゃになってしまった。ブライアン・デ・パルマなので、ああ、グロいもの見せられるんだろうなあ、と思ったけど、ちゃんとまっぷたつの切断遺体が出てくる。御丁寧に口まで裂かれている。生々しすぎて気持ちが悪くなるというほどではないが、必要十分にグロく、必要十分な画面への登場度で、この辺の出し加減がさすがという感じ。こういう物を見せないことで上手い映画と言われるのが普通に言うところの上手い監督ということになるんだろうけど、ブライアン・デ・パルマは、やはりこういうものを出してナンボ。ただ、その出し方にはぐっと押し出すところとさっと見せるところがあって、そこの加減が芸というものだと思う。最初に野原で発見されるシーンは、もったいぶって、サッとよく見えないくらいで、検死のシーンはもうちょっとだけ、ああ、これでもう見なくて済むかと思って油断させた最後のところで、主人公の幻覚としてパッと一瞬だけどモロに見せる、といったあたりの手綱加減が見事だった。
銃撃戦に入るところのシーン、するするとビルの上まで行って、どうなるかと思ったら、ビルの後ろの通りにまで画面は行ってしまい、その通りの野原の前で「助けて!」と気の狂ったように叫ぶ女性が、通りを曲がる車を追いかける、その車からこっちの通りに戻ってきて、怪しげな売人の白人男性とポン引き風の黒人女性がやってくる、ここまでクレーンを使った壮大な長回し一発で、途中で伏線を張って流れを壊さず元の話に戻ってみせるという荒技、あそこはスゲエなぁ、と感心。
役者も良かった。ジョシュ・ハートネットとスカーレット・ヨハンソンが特に良かった。
でも、主人公以外みんな実は訳ありで、最後は主人公も「それでイイのかよ?あああ、結局ダークサイドに足踏み入れちゃった。まあ、そりゃ、現実だったらそうすると思うけどね。」という感じの終わり方で、全く爽やかなところはない話である。昔のロスの犯罪ものと言えば、"LAコンフィデンシャル"とか色々あるけど、要は、ハリウッドの裏面もギャングも警察もみんなつるんでいて、ああ、汚ねえ!LAなんて、ハリウッドなんて、うわべだけのバビロンだよ!というおきまりのパターンにまた一本秀作が追加されたという事になるのだろう。と思ったら、原作は同じ人(ジェームス・エルロイ)なんだ。
About James Ellroy, American Crime Fiction Writer and Essayist
これは実在の猟奇殺人事件を元にしているのだが、
殺人博物館〜ブラック・ダリア事件
げっ、これ、遺体の写真出てる!でも、ボケボケでよく分からない。これ、よく似た人選んだなあ。メイクかな?
ブラック・ダリア事件 - Wikipedia
ここにまで項目があるほど有名な古典的事件なのね。
- 作者: ジェイムズエルロイ,James Ellroy,吉野美恵子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1994/03/10
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