PLUTO 4―鉄腕アトム「地上最大のロボット」より (4): 浦沢直樹, 手塚治虫

PLUTO 4 (ビッグコミックス)

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 豪華版は数日前から本屋の店頭に出てたけど、「二十世紀少年」のあの悲惨な中断、最近の人気マンガのプレミアム商売に嫌気がさしていたので、敢えて手を出さずに通常版を待って買って読んだ。ゥ〜ん、やっぱり、スゲエ。お見それしました。
 一言で言えば、手塚版が「物語」だったとすれば、浦沢版は「近代小説」みたいなものだな。つまり、登場人物が内面を持っているということだ。でも、それはロボットの場合どういうことなのか。この浦沢版のロボットって何者なのか?
 それは、「何故、我々は心を持っているのか?心って何ですか?」と問うてしまった者のことのような気がする。昔先輩から教わった話で、「ムカデさん、ムカデさん、君はそんなに一杯の足をどう動かして歩いているの?と質問したら、ムカデは、はたと考え込んでしまい、歩くことができなくなってしまった」というのがあるのだが、それは現在の我々自身のことに他ならないのではないか。

 生きものの最小の単位は、「細胞」と呼ばれる小さな袋です。細胞をさらにばらばらにしてみると、「分子」という単位になります。全ての生きものも、コンクリートやガラスと言った生命のない無機物と同じように、分子からできているのです。
 分子自体には「生命」はありません。生きものの分子(生体分子)にしても、生きものではない物質の分子にしても、同じ物理法則や化学法則に従います。では、生きものの分子と、生きものではない物質の分子との違いは何だといえるのでしょうか。(好きになる分子生物学萩原清文)

好きになる分子生物学 (KS好きになるシリーズ)

好きになる分子生物学 (KS好きになるシリーズ)

 お茶の水博士のサザエさん的な昭和四十年代風一軒家に、スターウオーズのような三次元テレビ電話、インターネット、ロボットハンドという組み合わせは、「二十世紀少年」のともだちの家みたいだけれど、これってやっぱり面白いな。最新の技術が使われた便利なものは欲しいけど、やっぱり心安らぐのは昔の慣れ親しんだライフスタイル。こう言うのが、やっぱり一番みんな求めているものなんだろうな。
 アトムの空の飛び方がかっこいい。もうそのまま飛んでいくって感じ。