球根植え付け完了、もしくは、葬儀という儀式

 土日で球根の植え付けをやっと終わらせた。土曜日にNapsterでダウンロードしたJETを聞きながら作業しているうちに風邪を引いたみたいで、今日は苦しかったが、とにかく植え付けを済ませた。ああ、疲れた。
 百合(オリエンタル・リリー)の球根を植える段になって、20cmも埋めなければいけないことに気づき深い植木鉢を買いに行ったり、段々肥料や土の混合比もいい加減になってきたり、最後は球根の間隔もぎゅうぎゅうに詰め込んだり、疲れてくるにつれて作業はいい加減になったが、とにかく、全部植えた。

  • 『アリウム 6球』
  • 『原種チューリップ 3球』
  • 『スパラキシス 3球』
  • 『フリージャ 3球』
  • 水仙ピンクチャーム 5球』
  • 『オリエンタルリリー=カサブランカ=3球』
  • ムスカリ アズレウム 15球』
  • ムスカリ アルバ 15球』
  • 『チューリップ=スプリンググリーン=10球』
  • 『チューリップ=ジュディスレスター=10球』
  • 『チューリップ7色各2球パック(計14球混合)』
  • 『チューリップ=クイーンオブナイト=10球
  • 『チューリップ グリーンランド 10球』

 全107球。さて、春には一体どういうことになるのだろうか。

 プランターや植木鉢がどれがどれだか分からなくなってくるので、木札に花の名前を書いて土に刺していたのだが、何だかそれが卒塔婆みたいだな、と思った。と、ふと思ってしまうと、球根や種を植えるという作業は埋葬に似ている、と不気味なことに気がついてしまった。でも、よく考えてみると、これは逆なのではないか。死者が蘇って欲しいという願いを込めて、土葬という習慣が出来たのではないだろうか。土葬という習慣と農業は、人間の歴史の上でどちらが古いのだろう。
 農業と土葬を結びつけることがそんなに間違っていないと思えるのは、農耕社会以外では、必ずしも遺体や骨を土に埋めるとは限らないからだ。例えば、モンゴルでは鳥葬という習慣があって、死体を山とか丘の上に置いておくと、肉食禽の鳥がやってきて死体を食べてしまう。昔、田荘荘の「盗馬賊」と言う映画で、この風習を知ったのだが、鳥に食べさせて天に返すというのは、いかにも遊牧民族らしい。農耕民族の末裔から見ると、グロテスクではあるが、エコロジーや生態系の観点に立てば、これはこれで合理的ではある。
映画 盗馬賊 - allcinema
サーチナ-searchina.net
 そうしてみると、有名な、坂口安吾の「桜の森の満開の下」には死体が埋まっている、と言うのも、故無き妄想ではないのだと思う。
桜の森の満開の下 (講談社文芸文庫)
 ロケットで遺灰を宇宙にばらまく宇宙葬と言うのも最近出てきたみたいだけれど、こういうのって、民俗学とか宗教の立場から見てどうなんだろうな。土に帰る、とか、天に帰る、と言う言い方はあるが、それでは、宇宙に帰るのか?というと、イメージが今一つピンとこない。マドンナが宇宙旅行したがっている、なんて話もあったけど、David Bowie宇宙葬なんて良いかもしれない。まだまだ頑張って欲しいけど。墓を荒らされる心配がないから、有名人には本当に良い葬儀の形式かもしれない。
 脱線が止まらないついでにもう一つ脱線するが、大昔パリに行ったときにドアーズのジム・モリスンの墓参りに行ってみたことがある。地図を頼りに近づいて行くと、音楽が聞こえてくる。そう、「ジ・エンド」だ。幻聴かと思い、どきりとしたが、何のことはない、どこかから来たファンがジム・モリスンのお墓でラジカセをガンガンかけていたのだった。こういうファンがやってきて、辺りのお墓に落書きをして、マリファナ吸って帰っていくらしい。オマケに、記念に墓石を削り取っていってしまうので、墓があったはずの処はほとんど何もなくなっていた。その落書きだらけのお墓の土台の石を撮った写真の絵葉書やポスターが売られているのを、以前に見た記憶がある。その絵葉書は買ったような気もするから、探せば出てくるかもしれない。
Beats21 - ジム・モリソンの30周忌、人気未だ衰えず
未だに、あそこはスゴイみたいだ。
Découvrez le cimetière du Père-Lachaise de Paris.
そのペールラシェーズ(Pere Lachaise)墓地をバーチャルに見て回れるサイトというのが、出てきちゃったよ。これ、これ、
Découvrez le cimetière du Père-Lachaise de Paris.
これがそのお墓。
みんな、やっぱり行くんだね。
http://www.occn.zaq.ne.jp/momokun/SUITE/FAVORITE/TheDoors/PereLachaise/PereLachaise.htm
w( ̄o ̄)w オオー!、なんだこれ、ここまでやるか?スゲー、なんて義理に厚い奴なんだ!
ロック・ミュージシャンの墓

 逆に、DNAを位牌に保存するというこんなサービスの方が、むしろ現代らしいかもしれない。
http://www.ezdnajp.com/beads/
http://www.osoushiki-plaza.com/dna-h/index.html
 ただ、これはDNAの記録、保存であって、土に帰るとか、天に帰るといった死のイメージを与えて残された者の心を慰めるような儀式性が感じられない。むしろ、私という存在のプログラムさえあればいつかは復活出来るのではないか、とでも言いたげな生への執着を感じてしまう。
 そういえば、インターネット上のお墓なんてのもあったっけ。
インターネット上のお墓 - マルチメディア/インターネット事典
http://www.sousou.ne.jp/internetohaka.htm
http://www.vpetreien.biz/
 これはこれで、いいお墓だと思う。「はてな」でも、ゆくゆくはこういうのもサービスに加わるのかな?