昭和天皇、A級戦犯靖国合祀に不快感・元宮内庁長官が発言メモ

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 昭和天皇が1988年、靖国神社A級戦犯合祀(ごうし)に強い不快感を示し、「だから私はあれ以来参拝していない。それが私の心だ」と、当時の宮内庁長官富田朝彦氏(故人)に語っていたことが19日、日本経済新聞が入手した富田氏のメモで分かった。昭和天皇は1978年のA級戦犯合祀以降、参拝しなかったが、理由は明らかにしていなかった。

 これで、コイズミは参拝しにくくなるだろうね。いくら、「個人の信条」とは言ってもね。
 これがここで出てくるのには、やはり日経の意図というのもあるんだろうな。これが日経から出てくるというところが説得力があるというか、面白いというか。
 昭和天皇としては、どういう心だったのか、これだけでは測りかねるので、買って読むことにしよう。という訳で、今日の日経朝刊買って読んだけど、うちの辺りの版には出てなかったorz…。夕刊には出るんだろうか?これは、当然取材を重ねて準備万端で出してきたような話かと思ったら、そうでもないようだ。他の新聞にも出るのかな?
 いずれにせよ、これは彼がA級戦犯に対して不快感を持っていたということではないか。当然、彼の戦争責任という点も議論されなければおかしいが、少なくとも、A級戦犯を一般戦没者と一緒に祀ったところへは行きたくなかったと言うことだ。では、その一般戦没者に対して参拝したくなかったのかと言えば、1978年までは参拝してた訳である。結局、一般戦没者の遺族にしてみれば、A級戦犯合祀というのは良い迷惑以外の何ものでもなかったということだ。もっとも、戦没者遺族が全員天皇の参拝を望む訳でもないだろうが。
 いずれにせよ、天皇の参拝については、これまであまり報道を聞いたことがなかった。首相の参拝ばかりが取り上げられたが、国家元首は一貫してA級戦犯合祀以降参拝していない、と言う点がフォーカスされれば、日中関係にも打開策が出てくるのではないか。A級戦犯分祀→一般戦没者への天皇参拝、ということになれば、メッセージは明確になる。
 ただ、ここまで政治問題化していると、本来は宗教的な問題の筈だが、天皇の政治的関与という話にもなりかねない。だが、それも「象徴」の果たすべき役割なのかもしれない。A級戦犯遺族以外には、A級戦犯分祀→一般戦没者への天皇参拝、という流れは受け入れやすい流れではないだろうか。
 あの昭和天皇が、こういう形で自分の意志を示していたのか、という感慨。