「淀川長治究極の日本映画ベスト66」
- 作者: 淀川長治,岡田喜一郎
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2005/12/16
- メディア: 単行本
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貶さないと言うのが淀川さんの基本的な姿勢だけど、結局それは、貶すくらいなら書かない、ということで一番厳しいんだということをひしと感じた。じゃあ、溝口も黒澤もこんなに称えているのに、成瀬だって「おかあさん」が取り上げられているのに、小津は何も触れられていないのはどうしてか、というのが冒頭の解説で言及されているのが面白い。「私は関西の人間だから」ということになっているのだけれど、本当にそうなんだろうか?
まず、淀川さんは小津の映画をどのくらい見ていただろうか?見ていない訳はないが、それほど見ていなかったような気もする。大体、小津さんは関東で私は関西だから、なんていう了見の見方をするような人だろうか?とてもそうは思えない。
では、小津=日本的な映画、とでもいったある種の先入観にとらわれた見方をしていたのだろうか?それもある程度ありそうな気もする。何と言っても、神戸のモダンボーイだった訳だから。じゃ、関西人って何?関東、東京の人というのは、何を意味しているのだろうか?