「年次要望書」

おとといの『拒否できない日本』(関岡英之著、文春新書)で言う年次要望書ってこれか。
http://japan.usembassy.gov/j/p/tpj-j20041020-50.html

情報技術

 e-Japan戦略に掲げられた「2005年に世界最先端のIT国家となる」という目標を達成するため、日本はここ数年間に数々の規制障壁を除去し重要な進展を図った。この結果、ブロードバンドが広く普及し、世界においても最も安価で最速のブロードバンド利用を可能にするなどめざましい変貌を遂げた。また、民間、政府ともに、ITの利活用を拡大させ手続のオンライン化を推進したため、日本の電子商取引市場は世界でも最も大きな市場のひとつにまで成長した。e-Japan重点計画 2004 (重点計画 2004)は、日本の目標を再確認すると同時に、安全で安心なネットワークの確保、IT利活用の促進、知的財産の保護、コンテンツ開発の奨励、電子政府の利用の促進といった目標の早期達成を目指し、戦略的に優先すべき措置を明確にしている。同計画はまたIT利活用の促進に向けた民間部門の主導的役割や電子商取引のグローバルな性質を認識している。重点計画 2004の中で、日本政府はまた、IT利活用のより急速な拡大を阻む法的およびその他の障壁が引き続き存在することを認識した。米国は、これらの障壁の除去に向けた日本の取組みを支持するが、日本が最大限の柔軟性を民間に与えイノベーションを奨励するには、重点計画 2004の実施に向けて策定する新たな戦略、法律、政省令、ガイドラインが、特定の技術を過度に推進、或は、強制しないことを確保することが大変重要である。(技術的中立性)

「特定の技術」って何だろう?Linux

提言の概要

「提言」って、アメリカの命令ってことだね。

· 規制その他の障壁:電子商取引を妨げる既存の法律や規制を排除する。新たな法律や政策が国際的規範に沿い、民間部門のイノベーションや自主規制を奨励することを確保する。あらゆる分野での電子的保存やデータ交換に関する柔軟な法的枠組みを構築する。民間部門の要請に対応する、効果的かつ協調的IT政策を策定する。

Amazonに便宜を図れ、と。

· 知的財産権の保護:音声録音およびその他の作品の著作権保護期間を延長し、知的財産権の保護を強化する。オンライン上のデジタル・コンテンツの著作権侵害を阻止するためのより強力な施策を実行する。世界、特に、アジアにおける知的財産権の一層の保護を促すため、二国間、地域間、多国間協議の場において米国と連携する。

ミッキーマウス法という奴ね。ディズニーがミッキーで商売する邪魔するな、と。中国を訴えるときは、ついてこい、と。

· ITと電子商取引の促進:個人情報保護法が、国際的規範に沿い、透明性が高く、一貫性のある形で施行されることを確保する。国際的電子商取引を支援するオンライン紛争処理体制を推進する。公的部門のネットワーク・セキュリティ基準や指針が民間部門の十分なインプットとともに、統一的かつ技術的中立に策定されることを確保する。自主規制の原則を奨励し、スパム対策に向けた技術革新を推奨する。

マイクロソフトやら何やらの連中の言われる通りにしなさい、と。スパム、って、オタクの国から送られてくる方が数が多いんだけど。まず、自分のうちの中、何とかしてくれません?

· 政府IT調達:開かれた競争、技術的中立性、透明性および革新的オンライン・サービス・ソリューションの市場アクセスを拡大することに焦点を当て、電子政府に係る情報システムの調達に関して、具体的成果に基づく改革を実施する。

フリーだからLinux使うと言うんじゃなくて、Windowsを買えと?

 う〜ん、邪推はして見たけど、今一つピンとこないな。こういう理解で良いんだろうか?

 多分、これは全部想定している事例というのはあって、使い方も決まっていて、「ほら、要望書でもこう言っているじゃないですか!」と御印籠にして使う文章なので、そこが判っていないと、よく分からないなあ。