golgo1392004-05-04

『子供たち』

    • 監督:マルコ・ベキス
    • 今回見た中で最大の衝撃作。ぞっとした。アルゼンチン、イタリアのラテン系の暗部の、食肉工場の皮をむかれた牛や鳥を見るときの胸がむかむかするようなグロテスクさ。
    • 自分の親を虐殺した夫婦を親と思いこんで育ってきたというのも凄まじい悲劇だが、その子供を育ててきた夫婦の不気味さ。袋に入れられて飛行機から突き落とされた親のことを知らずに、スカイダイビングを行っていた息子。DNA鑑定で兄妹ではないということが分かっても、明らかにされた真実は…。過去に起こったラテンアメリカ的悪夢、その血塗られた悪夢の上に素知らぬ顔で築かれているヨーロッパの欺瞞。それは、決して人ごとではなく、日本についても同じような話はたくさんある。
    • 最初からなっていたドラムの音の意味が、最後のドキュメンタリー部分でやっと意味が分かる。”暗殺者まで200m”と言う交通標識。
    • あんな暗く荒々しい、ドーバー海峡日本海のような、地中海は初めて見た。