「600万人の女性に支持されるクックパッドというビジネス」: 上阪 徹
600万人の女性に支持されるクックパッドというビジネス (角川SSC新書)
- 作者: 上阪徹
- 出版社/メーカー: 角川SSコミュニケーションズ
- 発売日: 2009/05/07
- メディア: 新書
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で、検索してみると、この社長、いい。偉い。本だけ読んでいるのと、ちょっとイメージ違うのが良い。SFCというのも、さもありなん。SFCの卒業生のクオリティは玉石混淆だろうけど、こういう人が社会に出るまでの準備をするための場としては立派に機能しているんだな。
この本の中でも出てきてたクックパー®蒸しパン、やってみようっと。
スピード朝ごはん♪クックパー®蒸しパン
スピード朝ごはん♪クックパー®蒸しパン by つくしぐみ 【クックパッド】 簡単おいしいみんなのレシピが308万品
http://www.asahi-kasei.co.jp/saran/home/cookp_h/mizukiri.html
http://www.asahi-kasei.co.jp/saran/special/09summer/yakisoba/whats.html
サービスとかwebビジネスに興味ある人は読んだ方が良いよ、これは。
ビジネス的には、まだまだ展開の余地があるし、本当に面白い。最近はネットスーパーも本格的になってきたし、ちょっとビジネス上のアイディアも思うところあって、下心含めて読んでいたんだけど、最後の辺りにちらっと書かれていたところなんか読むと、ああ、やることないかな、という感じ。
一つ思ったのは、これってガラパゴス化するのかな?世界展開出来るのかな?ってこと。これは、多分、世界的に見てもこんな成功をこの分野で達成できているところは他にないだろうし、「食べる」というのは人類共通の話だから普遍性があると思うんだけど、このサービスをどうすれば、世界に展開できるだろうか?もちろん、日本国内でも、やることはいくらでも永遠にある。日本のレシピ検索は「クックパッド」で立派なものだし、食っていけるだろう。
でも、これはワールドワイドのプラットフォームに出来るだろうか?というと、トヨタの生産技術が、実は「生産技術」と言うより「生産文化」だということと同根の話になるのではないのかな。それは、すごい競争力だし、真似の出来ない究極の差別化なのかもしれない。しかし、そういう特殊なものというのは、ワールドワイドに展開できないという弱みを抱えてしまうのかもしれない。
その意味では、プラットフォームを作れるアメリカの強さを痛感するな。その強さというのは、世界中で受け入れられるハリウッドの映画の強さなのかもしれない。ハスミ先生の「全ての映画はアメリカ映画である」というテーゼじゃないけど、普遍的に受け入れられるストーリーやプラットフォームで発想できるアメリカの強さというのは、経営指標うんぬん以前の文化的普遍性(といっていいのかどうか、とは思うが、そう言いたくなるには十分ではある)な強さだ。
車にしても、家電にしても、日本は言葉ではなくてモノで世界にメッセージを発信してきたんだと思う。でも、インターネット登場後の時代は、モノではなくサービスの時代になってしまった。モノでは、価値観を提言できなくなった。言葉を語らなければいけなくなった。そこで、日本は何を語れば良いんだろうか。こういう素晴らしいサービスが、日本国内ではしっかりと根付いてきた。しかし、これは日本国内のサービスで終わるんだろうか。それはそれで良いんだと思うし、むやみに中途半端な海外進出(UTADAとかHATENAとか)するより聡明かもしれないけど、グーグル/アメリカの「世界を変える」という構想/妄想と比べると、ここが発想の出発点だときついかもな。それって、ビジネス的にはなんか悔しいんだけど、それはそれでいいじゃないの、何が問題なの?という見方も出来るんだよな。
難しい話だね。