アメリカ人の政治: 吉原 欽一

アメリカ人の政治 (PHP新書)

アメリカ人の政治 (PHP新書)

 読了。何となく知っていることを整理できたかな。学問的と言うよりは、実学的な立ち位置からの話なので、読みやすい。アメリカの選挙運動に関する辺りは、なかなか面白かった。新聞の外交欄と政治欄って、ものすごい視点の落差がある。あれだけ読んでいると、日本はどろどろしているけど、外国はそうじゃない!みたいな誤解しがちなんじゃないかと思う。その意味では、アメリカの実際の選挙や政治のメカニズムを読んでみるのも意味はある。
 最後のオバマの選挙戦術分析が、やはり面白い。SNSとか、そういう手法を導入することもともかく、それを使いこなせる人をちゃんと鍛えているところとか、そうしたソフト・パワー〜人間力みたいなモノの方が、真似しにくい。そういう場外の勝負になっていくんだろうな、これからは・・・。
 人間のすることには、矛盾がある。でも、合理性の観点から見た矛盾というのは、体質とか国民性との相性に比べれば、現実的には小さな話になってしまう。