ビートルズ祭!(1)

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 全14作品がデジタル・リマスターされ、ついに今日発売され、ビートルズ祭。タワーレコードを帰りに冷やかしに行ったら、ボックスはステレオもモノラルも売り切れ!まさか、発売当日に売り切れるとは!近くで嬉しそうに大きなタワレコの袋を抱えたオッサンを何人も見かけた。恐るべし、ビートルズ
 でも、デジタル・リマスタリングって、好きじゃないんだよ。なんか、リマスターって、モザイク消しみたいでさ。リマスタリングすると、見えなかったモノが見えてくるとか聞こえなかったモノが聞こえてくる、なんて、嘘くさいじゃないか。じゃあ、オリジナルで聴いてきた俺の感動は偽物だったというのか?俺はだまされていたのか?と思うじゃないか。
 そりゃ、音質は良い方が良いに決まっているし、わざわざ、モノラルで聴きたい、というのも、なんか、「本当のマティーニはヴェルモットを一滴だけ垂らすんだ」とか、「いや、一度グラスにヴェルモットを注いで、グラスに巡らせて、さっと捨てたところでジンを注ぐのが本物だ」といった類のウンチク話みたいで、うんざりするんだよな。でもさ、CD1枚1枚じっくりステレオの前で聞く時間なんて、なかなかないじゃないか。どうせ、128kbpsでリッピングしてiPodで聴くんだろう?リマスタリングなんて、意味あるの?
 そういう後ろめたさもあるんだろうか、リマスタリングのCDって、やたらオマケがついているじゃないか。ライブとかアウトテイクとか。そりゃ、そういうモノがついていると、むしろ、それを聴かなきゃ、とファンとしては思ってしまうのが性だ。まあ、聴けば楽しいし、色々発見とか満足感とかあるんだけど、それはオリジナルを出した時点では没にされていた訳だ。色々と試行錯誤の結果に絞り込んだオリジナルに、そういうのを付け足すのってどうなの?大吟醸清酒を混ぜました、って、付加価値じゃないだろう?当のアーチストにしてみると、どうなんだろう?「まあ、再発だしさ、何も変わらないんじゃ悪いし、とにかく、楽しんでよ」ってことなんだと思うし、こっちもそう思っているから、何の実害がある訳でもないから、それはそれでいいんだけどね。でも、既に持っているモノにそういうのがついたリマスタリングの再発って、なんか、むかつくよね。やっぱり。
 でもさ、おっさんは、やっぱりビートルズの新しいCDが買いたいんだよ。知らないバンドのCDなんか買いたくないんだよ。しかも、良く知っている曲のほうがいいから、中身は同じものの方が良いんだよ(爆)。でも、同じものを買うのはもったいないから、リマスターくらいの言い訳があるのがいいんだよ(爆)。ああ、訳分からん、このオヤジのツボどころ。でも、絶妙にその秘孔を突いている企画なんだよな。あざとすぎる。
 じゃあ、この前の「Let It Be Naked」は何だったのか?今回は何が違うんだ?と思うじゃないか。『リマスタリングによって、あの時のあの音が蘇ってくる・・・』なんてこと良く言うけど、俺たちの青春の音は、レコードでアナログだったんだよ!こんなデジタルじゃなかったんだよ!と思うと、アナログBOXを予約させられてしまうことになるのか・・・。
 やっぱり、まずはステレオ化された最初の4枚の音がどうなっているか?というのが気になるんだろうな。"Hard Days Night"のイントロはどう聞こえるのだろう?と、まず、ここから聞き始める人は多いんだろうな。まあ、確かにステレオにされているんで、音の分離はクリアで、良いんだよな・・・。この"Anytime At All"、四人のパーツの定位がはっきりして、ラジオで聴く音ではなくステレオで聴くレベルの音になっているな・・・。やっぱり、良いな、これ。こうなると、"A Day in the Life"を次に、‥‥。まあ、焦らずに少しずつ聞いていこう‥‥。

ザ・ビートルズ・モノ・ボックス(アンコール・プレス)

ザ・ビートルズ・モノ・ボックス(アンコール・プレス)