「あずまんが大王1年生」: あずま きよひこ
- 作者: あずまきよひこ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2009/06/11
- メディア: コミック
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前に読んでいるのだけれど、その昔のヴァージョンにものすごく手が入っていて、見違えんばかりの出来映え。これやっていると、「よつばと!」の方が遅れないのか?と心配になるくらい。
で、それでどうだったかというと、なんかリアリティが上がっているんですね。とは言っても、これは昔の作品でもあるんですが、なんか、笑わせよう、受けよう、みたいなところがやっぱりあるんですね。ゆかり先生とか。でも、そういうところが磨かれて、今の「よつばと!」はどんどん自然になってくる。
と、書いていて、「よつばと!」1巻読んでみたんですが、やっぱり最初はここから繋がっているんですね。1巻読んでみると、改めて、どんどん”自然な面白さ”になってきていると思う。その”自然な面白さ”というのは、日常生活で大笑いするような笑いにどんどん近づいているという意味。
毎日の暮らしの中で思わず大笑いしてしまうようなことってあるじゃないですか。でも、それは、その場にいて、そのとき見るから面白いのであって、後でそこにいなかった人に説明しようとしても、そのおかしさは絶対全て伝わらない。そういうおかしさというのは、タイミングの善し悪しもあるし、色々な雰囲気や、その場の流れのような要素もある。
「よつばと!」って、そこをつきぬけちゃったのかな、と。そういうのって、小説では無理だし、呼吸を表現できる演劇や映画でなければできないだろう。でも、それは舞台やスクリーンの上で役者によって表現されるものだ。役者や演出家のセンスにも左右されるだろう。
そうしてみると、「笑い」に関して、リアリズムというのは表現としてあまり追求されてこなかったのかもなあ。日常生活で思わず大笑いしてしまうようなことを作品として定着・実現する、というのは、誰もやったことがないんじゃないだろうか。リアリズムとしての「笑い」の追求。ノーベル賞あげても良いくらいだ。
あずまきよひこの出した「応用問題」(前編) - 三軒茶屋 別館