蜘蛛の紋様 (3): 獣木 野生

パーム (32) 蜘蛛の紋様 <3> (ウィングス・コミックス)

パーム (32) 蜘蛛の紋様 <3> (ウィングス・コミックス)

獸木野生 - Wikipedia
 読了。このシリーズは1983年に始まって、今まで書き続けられている。既に四半世紀を超えて書き続けられている。それも、連作とか続編ではなくて、一続きの構想に基づいてブレなく書き続けられている。これは中上健次以上の仕事だ。勿論、エコロジーとか時代の流れも取り込まれている。でも、全然ぶれていない物語なのだよ。
 高校生の頃に友達に勧められて読み始めた。でも、未だに読み続けている。今30巻を越したけど、15巻くらいまでは多分フォローしてたと思う。多分10巻くらい間が飛んでいる。
 この巻はかなりヘビーなところ。ある意味、これまでの30巻があえて生々しく触れなかったところだ。でも、それが語れるし、語られるべきだし、暴力という主題が今の時代の流れの中でリアリティーを増している。
 この人が大メジャーなベストセラー的なマンガ家となる訳でもなく、サブカル文化人に流行ものとして持ち上げられる訳でもなく、それでもこのシリーズを書き続けられてきたことを祝福せずにはいられない。