ゴルゴ13 (152): さいとう たかを

 読了。「真のベルリン市民」はなかなかの大作。こういうゴルゴ13が脇役というより、背後の小道具みたいな話というのも最近は多い。でも、それがまた面白い。そもそもゴルゴ13自体が人目を忍ぶスナイパーなので、こういう設定の話に無理がない。しかも、ゴルゴ13の縦断がやってくる側から話を見ていることになるので、スリリングになる。この辺も長寿の秘訣か。「ある女の視界」は小品だけど、女性カメラマンがゴルゴ13を同業者とプロフェッショナルの勘で思い込むところが面白い。確かに、カメラと射撃は、遠くの物体をレンズ越しに決定的瞬間を逃さず捉えるという点では、似ているところがあるのかもしれない。「地上の太陽」はシニカルなオチが面白い。