OASISってさあ

 朝晩、せっせと土曜に向けて予習してますが、なんか、改めて聞き込むうちに、つくづく不思議なバンドだなあ、という気がしてきた。確かにあの兄弟の声は確かにジョン・レノンっぽいんだけど、ジョン・レノンのボーカリストとしての最大の魅力って、あのオーバードライブしたシャウトにあるんだと思う。そこはちょっと物足りないとこはあるんだよな。で、曲としても、実はどちらかといえば、ジョンよりもポールっぽいような気がするんだよな。メロディがうまくて、やたらと完成度が高い。つまり、ポールの曲をジョンが歌っているようなビートルズっぽいんじゃないのかなあ。でも、実はポールだってジョンのようにシャウトしようとしてみていたり、ジョンもポールのようにきれいなメロディを作ろうとしていたり、その意味では確かにオアシスってビートルズっぽいんだけど、後の世代として理想的な完成度のあるスタイルになっている。そこの魅力と、なんか物足りない感じが、オアシスなのかなあ。
 大体、メンタル的には、フー〜ジャム〜ポール・ウェラ−のモッズ系だし、素行的にはむしろフェイセズみたいな酔いどれバンドな訳で。でも、音としては、モッズ系というにはメロディーがポップすぎるし、ビート的にも違う系統だ。音とキャラクターの間にやっぱりギャップがあるような気はする。というのは、結局、第一世代のように黒人音楽から影響直接受けている訳ではなく、白人ロックとしてのビートルズ以降の影響で生まれ育ってきたバンドということなんだろうなあ。
 大体、ブリット・ポップなんていいつつも、ギターのリフなんか("Dont' look Back In Anger"とか)、スゲ−古いフレーズだし、まるで70年代じゃないかと思うけど、これだけのクオリティの曲だから許されるんで、その意味じゃ時代もへったくれもないくらいの化け物的なソングライティングの才能がやっぱりあるよなあ、と思いもする。これをジョン・レノンが歌っていたらどうなるんだろう、とか、ポールがオアシスのこの曲をカバーしたらどうなるのかなあ、などとあべこべに想像しながら、一曲一曲聴くと結構面白いです。