「花の生涯〜梅蘭芳〜」

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花の生涯梅蘭芳(メイ ラン ファン)〜(2008)
MEI LANFANG
147分 中国
監督: 陳凱歌(チェン・カイコー
出演: レオン・ライ メイ・ランファン(梅蘭芳
チャン・ツィイー モン・ツァオトン(孟小冬)
スン・ホンレイ チウ・ルーパイ(邱如白)
チェン・ホン フー・チーファン(福芝芳)
ワン・シュエチー シーサン・イェン(十三燕)
イン・ター フォン・ツーコアン(馮子光)
ユィ・シャオチュン メイ・ランファン(青年時代)
安藤政信 田中隆一
六平直政 吉野中将

映画 花の生涯〜梅蘭芳(メイ ラン ファン)〜 - allcinema

祖父の代から続く京劇の名門に生まれた梅蘭芳(メイ・ランファン)。早くに両親を亡くし不遇の幼少期を過ごした彼だったが、美貌と才能を受け継ぎ、10代にして女形のスターとして花開く。その後、海外で学んだ邱如白(チウ・ルーパイ)と出会った梅蘭芳は、彼の主張に感銘を受け、伝統的な京劇の世界にも革命が必要だと考えて実践していく。そんな2人は義兄弟の契りを交わし、強い絆で結ばれていく。そしていよいよ梅蘭芳が円熟期を迎えたその時、彼は京劇界きっての男形女優、孟小冬(モン・ツァオトン)と運命的な恋に落ちるのだったが…。

 陳凱歌久しぶりだけど、また京劇かあ。やっぱり初期の印象が鮮烈すぎて、どうしても違和感感じてしまう。「黄色い大地 (1984)」、「大閲兵 (1985)」、「子供たちの王様 (1987)」、「人生は琴の弦のように (1991)」というところから、「さらば、わが愛/覇王別姫」に行ったところで、普通にうまい監督になってしまったのかなあ。でも、これもそんなに悪くはない、当然。でも、妙にハリウッドっぽい。それが良いことなのか、悪いことなのか、簡単に言えない。
 同世代の田荘荘の「呉清源」もそうだったけど、一人の人物の生涯を描くことで時代と人物を描くという伝記物、中国人好きなのかな。スケール感も出るしなあ。そういう形で色々語ってみたい年になったということなのかもしれない。
 こうして京劇の話を見てると、「梨園」とか「女形」とか、やっぱり、歌舞伎というのは、中国の京劇に流れとしてつながっているんだろうか。男が女を演じる演劇も女が男を演じる演劇も、西洋では絶対主流ではない。これって、何なのだろうな。どういう起源で、どういう伝播をして日本にまで伝わり、こうなったんだろう。中国の宮廷の宦官みたいに間違っても子供を作ったりしない仕組みとして王宮で始まったのが、一般にまで広まり流布して、日本にまでたどり着いて歌舞伎にまでなったということなんだろうか。
 現実の女よりも男が演じるバーチャルの女のほうが理想化された「女」の魅力がある、というのは、極めると二次元のほうが実物よりも魅力があるというオタクにまで通じているのかもしれない。どんなに現実が頑張っても(というより、現実は現実なので、頑張りようがなかったりする)、妄想の産物には勝てない。