「ガラスの仮面」恐るべし

ガラスの仮面 (第1巻) (白泉社文庫)

ガラスの仮面 (第1巻) (白泉社文庫)

ガラスの仮面 (第23巻) (白泉社文庫)

ガラスの仮面 (第23巻) (白泉社文庫)

ガラスの仮面 43 ふたりの阿古夜 2 (花とゆめCOMICS)

ガラスの仮面 43 ふたりの阿古夜 2 (花とゆめCOMICS)

 なんて恐ろしい娘なの、北島マヤ・・・。金曜の夜から今までかかって、文庫本23冊と最新刊43巻、全て読んでしまったわ・・・。42巻が飛んでいるのは、近所の本屋で見つからなかったから。ええ、手に入れば読んでいたでしょう。でも、遠くの本屋まで行く時間が惜しくて仕方がなかったのよ!10冊買ってきて、これでこの週末がつぶせるかなと思っていたら、読み始めたら止まらない・・・。ええ、私はまるで重度の麻薬中毒患者さながらだったわ。読み終わると本屋に走り、読み終わると本屋に走り、・・・。私をあなたから引き離せたのは、疲れ果てた末の睡魔だけだったわ。そして、今も私はまだ姫川亜弓なのよ?!あなたは、いい年こいたオッサンをこんな状態にして恥ずかしくないの?!
 あー、訳分からん。ここまで馬鹿やって、やっとこの先を続けられなくなり、我に返りました。というくらい凄いです、「ガラスの仮面」。1976年から連載が始まったというのに、全然ブレがない。43巻では携帯電話が顔を出したりするけど、注意して読んでいなければ気がつかないと思う。ブレる必要がない。だから、あえて、ブレない。なんてこと、どうしてできるんだろう???
 マヤちゃん、君って娘は・・・。「真夏の夜の夢」、「たけくらべ」、「嵐が丘」、そう、みんな誰もが知っている古典だ。このストーリーだって、足長おじさんであり、シンデレラであり、何も現代的な新しいストーリーなんてないんじゃないのかい?それに君はどうやって命を吹き込んでいるというのかな、この30年以上も続いているマンガで。あの白目連発とか、スポ根真っ青の特訓が、何故笑えないんだい?大体、君が高校に入学した16歳の時、紫の人は27歳だった訳だ。これは、世間的には立派なロリコンで通りそうだね。彼が最初に君を見たのは15歳かそこらだったのだろうしね。って、速水真澄トークしてみて〜!
 そう、これって映画で言うなら増村保造のようでいて、実はマキノ雅弘なのかもしれない。過剰なようでいて、しっかりと王道のど真ん中を行っている人物を描き出しているし、常に人の輪の中にある北島マヤを描いているという意味で。これを映画にするなら、増村保造ではなくマキノ雅弘なんだと思う。溝口健二なら、母娘の生き別れまでのところでやるか、姫川亜弓を主人公に変えてしまうかもしれない。
 未完の作品になりかかっていたのに、こうして新刊が出ると、やはりどういう結末に向かっているのだろうと思う。ハッピー・エンドなのか、悲しい結末なのか。ハッピー・エンドでないと許されないだろうなあ、と思うけれど、そんな簡単なハッピー・エンドが許される訳もない。どうなるんだろう???