「007 慰めの報酬」


http://www.sonypictures.jp/movies/quantumofsolace/
 007働きすぎだろう。前作の直後から始まるという設定らしいけど、全作見ていないので、ストーリーの細かいところ全然分からん。映画としては酷いな。客は入ってたけど。ユーモアのセンスも血も涙もないし、ボンドガールもいまいちな気がするし。仲間をゴミ箱に放り込むなんて、残酷すぎ。KGBに転職したのか?と思うくらいだ。なんかプーチンっぽいし。その分、これでもかと言うくらいアクション多いし、世界中これでもかと言うくらい駆け回るし、見終わったあとは満腹感あるけどな。でも、フィッシュ&チップじゃなくてハンバーガーの満腹感だね。
 まあ、たまにはそういうくだらない映画見たいなあ、と思って見に行ったからいいんだけどさ。腹も立たないけど、ここまで売るための商品としてやるか?というのに唖然としたな、というのが正直なところ。なんか、007、ゴルゴ化していないか?
 女の子と遊んで、2、3発拳銃を撃って、ガジェットで遊んで、最後に女の子と脱出して、あとはそのまま南の海で有給休暇、なんて優雅な時代じゃないんだねえ。ITガジェットで遊んでるのは、管理職ばかりだし。でも、あのディスプレイってマイクロソフトが展示会に出していたような。もう、こういう夢のテクノロジーって大体やろうと思えば、できそうなものばかりで、夢を感じないんだよな。その分、労働集約的にボンドが体張らなきゃいけなくなっている。
 話としても、やたらとあざとい。砂漠に隠された資源は、石油じゃなくて国の需要の60%を供給できる水源だとか、悪役は表向き環境保護団体のトップだとか、上司のMは女性だとか、やたらと今時な設定になっている。まるで、ゴルゴ。あの肺まで石油漬けって、グロすぎだろう。でも、今時、あのくらいじゃR指定にもならないのかな。今時、優雅な大英帝国情報部の女王陛下の秘密情報部員やっても、ギャグのネタにしかならないんだけどさ。
 かっての007が大人の男のファンタジーだったとすれば、これはむしろ子供や女性のストレス解消のためのカタルシスなのかもなあ。こうやって、あれこれと腐しながら楽しむにはネタ満載とは言える。人には勧めませんが。