黒田硫黄ざんまい

大金星 (アフタヌーンKC)

大金星 (アフタヌーンKC)

あたらしい朝(1) (アフタヌーンKC)

あたらしい朝(1) (アフタヌーンKC)

大王 (Cue comics)

大王 (Cue comics)

セクシーボイスアンドロボ1 (BIC COMICS IKKI)

セクシーボイスアンドロボ1 (BIC COMICS IKKI)

セクシーボイスアンドロボ #2 (BIC COMICS IKKI)

セクシーボイスアンドロボ #2 (BIC COMICS IKKI)

黒船 (Cue comics)

黒船 (Cue comics)

 引きこもって黒田硫黄三昧。おせち、酒、おせち、酒、時々コーヒー。この3日間で3kg太ったので驚いた。
 最初に「天狗党」読んだので肩すかしを食らったような感じはあるけれど、短編や未完の「セクシーボイス&ロボ」も面白い。ガロかなんかの系統の古い絵のようでいて、やっぱり感覚が新しい。圧倒的な絵力。なんといえばいいのか分からない、これまでに食べたもののないものを食べたときのような、違和感。これはまごうことなく、すごい才能。
 マンガは荒唐無稽であるべきだ、という揺るぎない確信と自信が素晴らしい。薄っぺらく軽く儚く美しく作られたポップさは、風に吹かれてめくりあげられれば、感傷が覗く。それが最高の少女マンガである岡崎京子の魅力だった。「セクシーボイス&ロボ」なんてちょっと岡崎ワールドっぽい世界だけど、黒田硫黄の世界では、風は風として心地よく吹き抜ける。「天狗党」のラストはせつなすぎるくらいだけれど、風は爽やかに吹き抜ける。そのことが切ないのだ。それは、まごうこともなく黒田ワールドが少年マンガの宇宙だということだ。