「大日本天狗党絵詞 (3)」〜天狗の話〜

新装版 大日本天狗党絵詞(3) (アフタヌーンKC)

　「大日本天狗党絵詞 (3)」読了。しびれた。諸星大二郎みたいでいて、唐十郎のようでいて、圧倒的にクールだ。ラストシーンがどうしようもなく切ない。

この変奇な生きものは
どこでどうして生きてきたのかわからねど
生体や形質は古来のテングの目撃譚に一致する
そしてそれは
天狗党の天狗と相容れない
天狗の存在について
概念
歴史観などの前提と矛盾する
矛盾を突きつけられた天狗は
ことごとく言葉を失いからすに戻った

　｢天狗になる｣とは言うけれど

お前は何か考え違いをしとるようだが
天狗は気概だ
心持ちだ

世界金融危機 (岩波ブックレット)

　２００６年１２月の世界の店頭デリバティブ取引残高は４００兆ドル。２００６年の世界の名目GDP合計額は４８．６兆ドル。単純に言えば、年収５００万円で４０００万円の博打をしているということだ。こんな事をしていれば、おかしくなって当たり前。まさに、アメリカは天狗だった。矛盾を突きつけられれば、からすに戻るしかないだろう。