「21世紀の歴史――未来の人類から見た世界」: ジャック・アタリ 読書ノート(1)

21世紀の歴史――未来の人類から見た世界

21世紀の歴史――未来の人類から見た世界

 第1章を読み終わったところ。p.46。読みながら、考えたことをメモしていくことにする。
第I章 人類が市場を発明するまでの長い歴史

(p.22)次に、元来、国境を持たない市場は、民主主義に打ち勝ち、民主主義は制度的に地域に封じ込められる。国家が弱体化するのである。

 今の金融危機でも、国家はたいしたことが出来ていない。市場の後を追いかけてうろうろしているだけに見える。

(p.32)16万年前、同じアフリカでホモ・サピエンスのもう一つの属種である最初の現生人類が出現した。・・・人類は群れをなして中東やヨーロッパを放浪した。しかし、彼らは何かを備蓄することも、貯蓄することも、不測の事態に備えることもしなかった。持ち運びできない物は一切所有しなかったのである。・・・この時期には、物、女性、囚人の交換が始まった。

 ホモ・サピエンスの出現から話が始まるので倒れそうになった。フランスのインテリの大風呂敷。ここ読んでいて思ったけど、近頃の若い奴は本当に<デジタル・ノマド>と言って良いだろうな。固定電話持っていないというの普通みたいだし。携帯とノートPC、iPod、DSだけ、固定電話もデスクトップPCもステレオもPS3もいらないみたいな若い奴は多いと思う。モバイルでファイル交換というのは、さすがにあまり聞かないけど、クラウド化すれば、それも可能になるだろう。クラウド・コンピューティングが、昔のコンピュータと決定的に違う物になる可能性というのは、この辺だろう。モバイルから大容量ファイルの交換とか重い処理の指令を出して結果だけ見るとか、サーバー側のやりとりでファイル交換するとか、それがいつでもどこでも出来るというのは、劇的な環境の変化になり得るだろう。クラウドクラウド+モバイルとして考えないと、本質を見誤るのではないか。