「ニッポン国古屋敷村」

ニッポン国 古屋敷村
製作=小川プロダクション 
1982.11.01 
210分 カラー 16ミリ
監督 ................  小川紳介
撮影 ................  田村正毅
音楽 ................  関一郎


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 田舎には何もない。何もない田舎の村。若者は都会へと職を求めて出て行き、年寄りだけが残り過疎化が進む村。そんな既成概念からは、3時間半ものドキュメンタリー映画は生まれない。
 老人の話を聞いても何を言っているかわからなくて、英語字幕を見ながら聞いて、やっと何を言っているのかわかると言う経験の衝撃。「日時計」は見ていたけど、あれは字幕で見てなかったと思う。
 稲の受粉。白おろし。蚕。地層の構造。外部から侵入する鉄分、硫化水素、それと稲の根の攻防。それは道路によって村が幸せにならなかったという話とダブって見える。しかし、そんなことは語られない。その潔さ。
 地層とは時間が積み重ねられたものだ。人が何十年も生きれば、そこには歴史が積み重ねられる。古屋敷村という地層。
 カメラと被写体。老人達がその一生で積み重ねてきたもの。
http://www.j-onsen.gr.jp/ybnippn.html
http://www.asahi-net.or.jp/~KJ8J-KRD/furu.htm