対決「巨匠達の日本美術」@東京国立博物館


asahi.com : 朝日新聞社 - 特別展「対決−巨匠たちの日本美術」
東京国立博物館
 時節柄、オールスター戦みたいなものではあるが、なぜ、対決なのか?笑ってしまうけど、何の世界でもそういうもんかなあ、という気はする。とてつもなく崇高な目標を目指して、どろどろと醜い人間同士の醜い欲にまみれた争いが繰り広げられ、その結果、勝者は欲望を満足させ、勝利によってそれまでの戦いで汚れた手まで拭われ、歴史に燦然と名を残す。ライアル・ワトソンの「二重らせん」みたいな話だ。
 今回の対決はそうしたどろどろした因縁があった対決もあれば、趣向として並べられた対決もある。でも、直接・間接を問わず、人間、誰かを意識して、他人との比較の中で自分を磨き、先人を超えていく。自分だけの何かを見つけていく。見ながら、何となくそんなことを考えた。

運慶 vs 快慶
雪舟等楊 vs 雪村周継
狩野永徳 vs 長谷川等伯
本阿弥光悦 vs 長次郎
俵屋宗達 vs 尾形光琳
野々村仁清 vs 尾形乾山
円空 vs 木喰
池大雅 vs 与謝蕪村
伊藤若冲 vs 曽我蕭白
円山応挙 vs 長沢芦雪
喜多川歌麿 vs 東洲斎写楽
富岡鉄斎 vs 横山大観

 それにしても、豪華な対決。日本美術史って、これでかなりカバーされてしまうんでは。対決となると、絵を持っているところも、負けるわけにはいかないとバンバン貸してくれたんだろうか。やはり、圧巻は応挙と芦雪の虎対決。どちらもモデルは猫らしいですが。応挙の虎は毛並みがふかふかで思わず触りたくなります。
 個人的な勝敗は、勝者順に、快慶・雪舟等伯・光悦・光琳・乾山・木喰・蕪村・蕭白・応挙・歌麿・鉄斎かな。こうしてじっくり傑作ばかり見ると、日本画の大胆さみたいなものが、さすがに素人にも分かってきて、面白かった。
 音声ガイドを借りてみたけど、ガイドの番号と音声の番号がずれていて酷かった。文句言ったけど、返金もしてくれなかった。展示を一週間くらいで入れ替えているので、対応しきれていないのだろうか。お粗末もいいところ。これから行く人は気をつけた方が良いかも。
 帰りにアメ横をぶらぶらして、メロンを一切れ。腹壊しそうなものって、なんであんなにうまそうなのか。