マイクロトレンド―世の中を動かす1%の人びと (単行本)

マイクロトレンド―世の中を動かす1%の人びと

マイクロトレンド―世の中を動かす1%の人びと

 読了。著者は、

マーク J.ペン(Mark J. Penn)
アメリカの政治においてもっとも鋭い洞察力を持つ世論調査員として知られ、「ワシントンきってのパワフルな人物」(ワシントンポスト紙)と評される。世界有数のPR企業バーソン・マーステラのCEOと、1975年ハーバード大学在学中に共同設立者として立ち上げたマーケット・リサーチ会社ペン・ショーン&バーランド(PSB)の社長を務め、マイクロソフトなど多くのフォーチュン 500企業と、ビル・クリントンやトニーブレアをはじめとする25か国の国家元首のアドバイザーを務めた経験を持つ。

という人で、この本ではアメリカで今起こっている動き、それは1%程度の人々の動きではあったりするんだけれども、そこに新しい世の中の変化が認められるようなそういう動き、を、なんと40も(原著では70もあるらしい)ああでもない、こうでもないと論じている。こういう本を書かせると、アメリカ人はちゃんと山のようにデータを集めて、おもしろおかしく読ませる文章を書くよなあ。
 でも、こういう頭の良いアメリカ人はすぐに面白いことやりすぎて、勝負に負けるみたいなところがある。ヒラリーもこの人参謀にしてどうだったんだろう。木を見て森を見ずになったんじゃないのかなという気もする。まあ、そういう人をどんどん登用しちゃうところが、アメリカのダイナミズムではあるけれど。
 一つ一つトピックスを揚げるときりがないんだけど。

第1部 男と女
男女比に泣く未婚女性/年下男を食う女/社内カップル/通い婚カップル/ネット婚カップル/ユニセクシャル
第2部 親と子
寛大すぎる親/高齢の新米パパ/マック・パパ/介護をする孝行息子/パラサイト・ペット
第3部 仕事
働く定年退職者/超距離通勤者/自宅で働く人々/言葉で稼ぐキャリアウーマン/ガテン系の女性/大学を中退する若者/高校生の実業家
第4部 階層
エリートは見た目が9割/質素な富裕層/破産する中流/片づけられない上流階級/子供の障害を探す富裕層/学校には行かない優等生/高齢化する幼稚園児
第5部 美と健康
自分で診療する素人/太陽嫌い/眠れない人々/解放された左利き/難聴になる人々/プチ整形マニア
第6部 飲食
太りやすい人々/食べない人々/カフェイン依存症/子供のベジタリアン
第7部 情報と娯楽
社交的なギーク/ネット嫌いの若者/ハイテク好きの女性/編み物好きの若者/職場でポルノを見る人々/数字に見せられる人々

 政治的なところとかアメリカ的なところ(要するに一番面白そうなところ)は全部カットされてるみたいだが、それでもじゅうぶん面白かった。
MarkPenn.com - Microtrends and Beyond