「叱り叱られ」: 山口隆

叱り叱られ

叱り叱られ

 読了。連休中に読んだ音楽本その1。山下達郎大滝詠一岡林信康かまやつひろし佐野元春、奥田民夫との対談集。ミュージシャンとミュージシャンがこんなにがっぷりと正面から対談しているというのも珍しい。しかも世代を超えて。そういう意味では、向き合って話をしてくれる人を選んでいるわけでもあるが。QuickJapanでの山下、大滝氏との対談は読んでいたけど、ほかの人との対談もやはり面白い。
 山下氏との対談では、「何故あのコード進行でキーボードを入れないのか?」とか、「本当にうまい奴とやると変わる」とか、まあ、山下氏も負けじといろいろ言っている辺りが興味深かった。大滝氏は、もう最初から最後まで漫談しかしないという潔さ。でも、何やって暮らしているんだろう、この人。岡林氏は、こうしてメディアに露出すること自体で奇跡。かまやつ氏のさらっとした物腰もかっこいい。これ読んで、ベスト盤買ってしまったんだけど、歌謡曲的な世界と紙一重で、ださくなりかねないところを力の抜けた物腰でさらっとさばいて見せるようなムッシュのカッコ良さに脱帽。佐野氏は一番まじめに話してくれていると思う。奥田氏は内輪的ではあるけれど、これも読んでいて楽しい。
 やはり、ミュージシャン同士の話というのは、本質をついていて面白い。でも、プロ同士でこういう話をなかなかするものでもないと思うのですごく貴重だと思う。それにしてもよくしゃべるなあ。