「おもてなしの経営学 アップルがソニーを超えた理由」 : 中島 聡
おもてなしの経営学 アップルがソニーを超えた理由 (アスキー新書)
- 作者: 中島聡
- 出版社/メーカー: アスキー
- 発売日: 2008/03/10
- メディア: 新書
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なぜiPodやiPhoneは日本で生まれないのか?マイクロソフトでWindows、Internet Explorerを開発した伝説の日本人が、企業経営の裏側を斬る!西村博之氏・古川享氏・梅田望夫氏との対談も収録。
読了。なんとまあ豪華な対談!前半は著者のブログをまとめたもので、後半は対談。著者はアスキーでバイト、NTTを卒業後すぐやめて、マイクロソフトに入り、WindowsやIEの開発でバリバリに仕事をしたのち、現在退社して、MBA通いながらベンチャー立ち上げようとしているカリスマ・プログラマー。
前半はゲイツクローンの話が面白い。マイクロソフトの中の話が生々しくて興味深い。ゲイツの意思決定能力というのが、いかにすごいか、良く分かる。即断即決。逆らうものは許さないが、理解すればすぱっと大方針転換する。
それから、技術とビジネスの二項対立の話が、まったく同感。何で、日本はスーツとギークが対立するのか。それはどっちも互いに何やっているか、分からないからなんだろうなあ。後、人材の流動性の問題も大きい。技術屋は自分の持っている技術にしがみつくしかないから、終身雇用制の縛りの中では、経営的な視点で考えてどうこうするなんていう余裕が失われがちだと思う。それは経営者も同じこと。他にも理由は一杯あるだろうけど、全部が絡んだ話。ちょっとずつ、一歩一歩頑張ってどうにかなるなんて楽観的な気はしないんだよなあ。ほんとに「パラダイス鎖国」だから。
最近の電機業界のやっていること見ると、もう、ここで考えているようなマイクロソフトとかグーグルどうのじゃなくて、サムソンとか、台湾勢と競争することしか考えていないような気すらするんだよなあ。ゲイツやジョブスと知恵比べして勝てそうな経営者なんて、一人もいないんだから、ある意味正しいのかもしれないけど、後ろ向きだよなあ。