『MacBook Air』って、普通に大きいと思うけど

【MacBook Air分解その5】「外は無駄なし,中身は無駄だらけ」 | 日経 xTECH(クロステック)
http://wiredvision.jp/news/200802/2008022522.html
 日経BP社のウェブサイト『Tech-On』の『MacBook Air』を分解した記事「外は無駄なし,中身は無駄だらけ」、にHot Wiredが反発し、論争が勃発している模様。

[rakuten:pcexpress-mobile:10036290:detail]
Mac Book Air
高さ:0.4〜1.94cm
幅:32.5cm
奥行:22.7cm
重量:1.36kg

に対して、松下のLet's Noteだと、

Let's Note 14.1型
高さ:28〜44.5 mm
幅:309.6 mm
奥行:245.5 mm
重量:1.51kg

とか

Let's Note 12.1型(W)
高さ:24.9〜45.3 mm
幅:272 mm
奥行:214.3 mm
重量:1.25kg

と、サイズが14,13,12でちょっと違うけど、まあ、サイズ相当の重量だし、DVDドライブが乗っていないこと考えると、Mac Book Airはもっと軽くすることは出来そうだ。なるほど、薄いことは間違いない。
 光ディスクやネットワークケーブルがないんで薄く出来るのは、まあ当然か。必要なときは、ワイヤレスで繋がなければいけないので、光ディスクのドライブ側でそれ用のもの用意しなければいけない。それはかえって面倒だが、実際に光ディスクをどれだけ使うかというとどんどん使わなくなってきているような気はする。CDをリッピングしたり、DVD見たりと言うことをノートでやるかと言われると、デスクトップがあればそっちでやるだろう、という気はする。
 日経の記事が言うように、技術的に大したものがある訳はない。だって、Appleは中の部品は何も作っていないんだから。売っているモノ買ってきて組み立てているんだから。組み立てだって台湾あたりの製造請負メーカーでしょう。
 日本メーカーの方がびっちりとコンパクトに詰め込んだ実装するのはさすがに上手いでしょう。それは日経の記事の言う通り。「DVDドライブ無しでこの重量、サイズ?」とは、思うだろう、そりゃ。でも、先にやられちゃったんだから、負けは負け。日本メーカーの方が実装上手くできるとしても、それでどれだけ軽く薄くできるか?というと、まあ、たかは知れている。中の部品は同じなんだから。
 でも、光ディスクなんていつも持ち歩くノートで毎日使う訳じゃないんだから、取っ払ってしまった方がスマートで良いよな、という思い切りが出来たのが、アップルの勝因。余計なものを加えるのは誰でも出来るけど、余計なものを取り除くのには度胸がいる、ってことだ。大体、日本の大手の電機メーカーは光ディスクドライブまでやってるんだから、光ディスクを外すという選択肢は頭に浮かばないだろう。
 これって、ソニーWalkmanと同じだよなあ。モバイルに録音機能なんかいらない、再生機能だけあれば十分、という割切。これは、簡単なことのようで、社内に録音機能をやっている人がいるような総合電器メーカーでは、オーナー社長以外やりにくかったりする。これも同じことで、ノートPCにアーカイブメディアなんていらない、という割り切りをバンバンできるのがスティーブ・ジョブスのアップルだったということだ。その意味じゃ、アップルって、日本企業的だよね。ネットで食ってる訳でもない旧世代の企業だし。多分、日本の電機会社が理解できる最後のアメリカ企業かもしれない。
http://wiredvision.jp/news/200802/2008022822.html
 アップルは、研究開発費が売り上げの3%。普通の日本の電機会社は7,8%。この4,5%の差というのがそのまま利益率の差だ。しかも、その研究開発で大した成果が上がっていない。「うちの方が上手く作れる」なんて負け惜しみを言うしか能のない技術者を養っている。光ディスクを外したPCを作れ、と言える上の人もいない。
 むしろ、研究開発をベースにしたイノベーションというビジネスモデルを考えているから、利益が出ないのではないか?研究開発するから、新しいカテゴリーやコンセプトの商品が出ないのではないか?

「技術的にすごいと感じるところは1つもない。われわれならもっと安く作れる」
ぜひそれを作ってほしい。大勢の欧米人が(私も含め)、MacBook Airのコピー製品を1000ドルで購入できるのを待ち望んでいる。

 HotWiredの記事の結論には同感。今さら、Macなんか使いたくないしね。周辺機器までワイヤレスにすると、転送速度など考えると、困ること多そうだし。どっちもどっち、と言うのが、もううんざりする位分かっているんだけど、そういうあれこれが何もかもここに典型的に出た話だなー。