アンラッキーヤングメン(1),(2): 大塚 英志、藤原 カムイ

アンラッキーヤングメン 1 (単行本コミックス)

アンラッキーヤングメン 1 (単行本コミックス)

アンラッキーヤングメン 2 (単行本コミックス)

アンラッキーヤングメン 2 (単行本コミックス)

大塚英志 - Wikipedia
大塚 英志(おおつか えいじ、男性、1958年8月28日 - )
藤原カムイ - Wikipedia
藤原 カムイ(ふじわら かむい、男性、1959年9月23日 - )
永山則夫 - Wikipedia
永山 則夫(ながやま のりお、1949年6月27日 - 1997年8月1日)
ビートたけし - Wikipedia
ビートたけし(本名:北野武(きたの たけし)、1947年1月18日 - )
永田洋子 - Wikipedia
永田 洋子(ながた ひろこ、1945年2月8日 - )
足立正生 - Wikipedia
足立 正生(あだち まさお1939年 - )
三億円事件 - Wikipedia
三億円事件(さんおくえんじけん):東京都府中市で1968年12月10日に発生した、現金強奪事件

 これは凄いな。圧倒的。これってさ、誰がどう見ても、北野武永田洋子と永山則男で、三島由紀夫で、中上健次まで出ていたりして。要するに、北野武永田洋子と永山則男が三億円事件を起こす、という話。でも、もう一人の高校生の陽子が誰なのか、ぴんと来なかったけど。気になってググったけど、分からなかった。
 誰がどう見ても、ともう一つ言うなら、関川夏夫の「坊ちゃんの時代」の68年版で、絵は完全に「さよならにっぽん」あたりまでの大友克洋っぽい世界のような気がする。でも、そういう意味じゃ、突き詰めれば、真崎守の「共犯幻想」や「はみだし野郎の伝説」のような同時代に書かれた傑作がある訳で、今、この作品が出される必然性って何なんだろうな。定年迎える団塊の世代の集大成なんだろうか。
 誰も政治的論争をいまさら読みたくないんだから、すべてを風俗として人間を書く、というのは、エンターテイメントとしては正解なんだけど、じゃあ、なんだったんだよ?とも思うけどな。まあ、それが本質だった、といわれれば、それはそうなんだけど。
 それに、これはモデルのイメージをそのまま使いすぎでずるくないか?というのもある。モデルの当人以外が文句いう筋合いはないけど。
 とまあ悪態ついたけど、結局、面白かったからいいか、というのが結論。石川啄木をここに持ってくるというのが、スゴイ。痛みでしか生きていることの意味を理解できないような人たち、時代が確かにここには描かれている。