ぼくはオンライン古本屋のおやじさん: 北尾 トロ

 著者はフリーライターとして、一癖二癖ある仕事をしている方。1999年にインターネット上で古本屋を始める、その顛末記。今読むと、当時のインターネット環境はああだったなあ、という記録としても興味深い。それもさることながら、ネットで商売をするということがどういう事なのか、ということが、リアルに伝わってきて面白い。サイト作りの話も、興味津々で読んでしまう。ネットを通じた人と人の関係のあり方の模索になっているあたりが何とも言えず、面白い。プロでもなし、アマでもなし。やりたいことをやれる範囲でやりたいようにやる。こういう生き方ってうらやましいけど、大変だろうな。絶対、自分には出来ないな、と思うので、ますますうらやましくなる。でも、そういうことが出来るようになるというのが、インターネットの起こした変化なんだろうな。
http://www.vinet.or.jp/~toro/
 ここが、その古本屋さん。う〜ん、マニアックだ。そのうちなんか注文してみようかな。でも、ヤフオク以降、これって成り立つんだろうか。ヤフオクと検索でできること以上の、セレクトショップ的な方向で出来ないと成り立たないんだろうな。検索には「発見」ってないんだよな。まあ、探しているうちに思っても見ないものを見つけると言うことは良くあるけど、自分が設定するキーワードの限界というのはある。その意味じゃあ、こういう品揃えが出来れば、こんなものもあるのか、ということができれば、ちゃんとこういう商売も成り立つんだろうな。ただし、なかなか専業でやっていくという訳にはいかないだろうけど。