「発想する会社! ― 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法」: トム・ケリー, ジョナサン・リットマン

発想する会社! ― 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法

発想する会社! ― 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法


 IDEOというのは、西海岸など世界中何カ所かに拠点を構えるデザイン・ファームで、アップルの最初のマウスとかMUJIブランドのCDプレーヤー(上の写真の奴)などの画期的なデザインを行ってきた会社。ちょっと興味を持つきっかけがあったので読んでみたが、おもしろかった。「今のボールはど真ん中で失投でしたね。打たれても当然です。」と結果論を言っているだけのビジネス書なんて馬鹿馬鹿しくて読む気もしないのだが、これは実際にプレイしている選手がどうプレイしているのか、どうやって三振を取っているのか、どうしたらホームランを打たれたのか、書いている本なので、滅茶苦茶面白い。
 なんといっても、イノベーションを起こせるかどうかは、文化の問題だということだ。そりゃ、個人でも組織でもたまたま成功することはある。でも、それはたまたまで、常にそれをおこなっていくには、人間集団が共有する文化や価値観が重要だと言うことだ。それは、こうして本を読んでも真似出来ないし、人にも多分伝えられない。こうしてこれだけの長い期間にわたって、革新的な仕事をしてきたというのは、この会社の人々の集団のもつカルチャーあってのものだと思う。いいなあ、こういう会社。
http://blog.japan.cnet.com/umeda/archives/001244.html
 日本企業がこういうインタンジブルなものに金を出したがらないと言うのは、鋭い、というか笑ってしまった。固定費と変動費という分析は成る程なあ、と思った。クリエイティブな仕事とルーチンの仕事って、一つの環境の中に同居させるのって無理だから、水平分業にした方がいいと言うことかもしれない。その分、アメリカの普通の会社はリストラやらなんやらでガシガシと利益追求しているわけだし。
IDEOが教える「イノベーションを生む秘けつ」 - CNET Japan
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