「姉ちゃんの詩集」:サマー
- 作者: サマー
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/12/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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青春って事件なんだなあ、と言うことを思いだしたよ。どんなことだって、最初に起こったときは事件。でも、世の中は前にもあったことだから事件じゃないという。でも、人類がこれまで繰り返してきたことは、人類にとっては事件ではなくても、一人の若い人間にとってはまごうことない事件だ。その事件というのが青春なのだよ。
どんな「作品」にもできないことが、こうして「事件」として起こってしまう。その「事件」に参加できることの喜び。これを「事件」として受け止める人と、「作品」や「流行もの」としてしか受け止められない人のギャップってあるんだろうな。それって決定的だな。もし、この本が評判になってから手に取っていたら、この面白さをどれだけ受け止められただろうか。
世の中は不思議なことばかりで、自分がその不思議に加わるとは一度も考えたことがありませんでした。(サマー:後書きより)
インターネットがある時代に生きていて良かったなあ、としみじみ思う。こんな事は五年に一回だと思う。
息子が娘の詩を無断でインターネットの掲示板にさらし、それが話題になる。さらにその自体が出版社の方の目にとまり、書籍化のお話をいただく‥‥‥。
私はこのこと全てを、一度に聞かされました。
話を聞いた瞬間、私の右手は息子の両頬を往復しておりました。
「人のものを勝手にさらすとは!」
そりゃそうだよな、というか、このサマーの母君の人間として真っ当な反応に感動。間違っている、と思ったら、子供をぶたなきゃいけない、というか、怒らなきゃいけない、手が出なきゃいけないんだな。でなきゃ、人の親やる資格ないよな。自分に子供がいても、怒っても反射的に手を出せないだろうな、だから、こういう子供に育たないだろうな、なんて思ったり。
道を散歩していたら、娘はゴミを拾い、息子は花を摘む。娘は人に褒められることをし、息子は人に喜ばれることをしようとする、そんな二人なのです。
ロッテ、詩人だなあ。