「園芸家12カ月」: カレル・チャペック
- 作者: カレルチャペック,Karel Capek,小松太郎
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1996/03/18
- メディア: 文庫
- 購入: 12人 クリック: 69回
- この商品を含むブログ (96件) を見る
カレル・チャペックといえば、「ロボット」や「山椒魚戦争」などのSFの嚆矢と言うべきチェコの作家だけれど、小学生の頃に「山椒魚戦争」を読んだことがあるような気がすると言うくらいで、いとうせいこうの園芸もので言及されているので、読んでみたが、これを今の日本版的にやりたかったのだなと良く分かった。
趣味というのは、興味がない人にしてみれば「何故そんなことをするのか?何が面白いのか?」としか思えない。種を蒔いて、水と肥料をやれば、花が咲く。そんなめんどくさいことをして何が面白いのか?と言われても、説明のしようなんてない。理由なんて何もなく、面白いと思うからやっているだけの話だ。ということは、理由がない行動なので、はまりまくって暴走しても理由で止められるものではない。愚かな話だけれど、人間ってそういう愚かなものなのだと思う。むしろ、それが人間の人間たる所以なのかもしれない。
訳注が詳しくて、可笑しい。
この本の何ともほのぼのとした挿絵を描いた兄のヨゼフは1945年に強制収容所で亡くなったそうだ。