「僕と君の全てをロックンロールと呼べ」

 ここのところ、ひたすらこれを聞いている。怒濤の3枚目。音の作り方も、結構コーラスや他の楽器も入っていたりするんだけど、それ以上に山口大先生のボーカルが血管ぶち切れまくり。ギターも大爆発。3枚目ともなると、なんかまとめようとしがちにならなければいいなあ、と思っていたけど、ますます暴走。
 「ゲットバックサンボマスター」なんかの山ちゃんの掛け声、無茶苦茶格好いい!やっぱり、ロックンロールは歌よりも、掛け声!「世界はそれでも沈んでいくんだぜ」も、これ、し、渋い。モダンジャズの渋みが凝縮されて、51秒。なんか、これで終わらせるなよ、と腹が立ってきそうな、51秒。「二人ぼっちの世界」の、この轟音感。でも、こういうギターのフレーズってひょっとして古いのかなあ、と一瞬ふっと思ったけど、それがぴたっと一瞬止まる瞬間に息をのまされて、もう巻き込まれていくしかないこの圧倒的な音の暴力。ボーカリストとして、山ちゃん、間違っても上手いとは思わないけど、声がついてこようがついてこれなかろうが、思いは走っていく。声がついてこれなくても、その破綻が音の先を走っていく激情を指し示す。「戦争と僕」は、なんか無気味なところすらある反戦歌。「愛しさと心の壁」って、ジョン・レノンもどきのタイトル?「僕と君の全ては新しき歌で唄え」、これも名曲。「何気なくて偉大な君」、これもスケールが大きいなあ。で、ヨコジマタカコって、誰?「あの娘の水着になってみたいのだ」、これは名曲だああ、ボケ!「心音風景」は、これぞサンボスタイル。「君の声は僕の恋僕の名は君の夜」は、詩人だねえ。「全ての夜と全ての朝にタンバリンを鳴らせ」は、コーラスとキーボードもイイし、語りもイイよねえ。「東京の夜さようなら」も短いけど、これがいいんだよね。「二つの涙」は、スケール大きい。このアルバムのダイナミックレンジの広さは凄いよ。「ベイビー優しい夜が来て」も、何とも言えない。こんなピアノの曲なんてこれまで無かったもんねえ。「離れない二人」も、最高のビート感。「離れない二人」、「かりかりするなよ、お前」と言ってるの誰?「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」の肯定感。「手紙」は、ついにメジャーデビュー以降のアルバムに収められたわけだけど、これぞ、という感じの名曲。
 捨て曲がないよ、これは。
 "You Tube"の、これも
MUSIC GARAGE 2004-10-23 ギターバトル
山ちゃん渋すぎ!でも、これ、奥田民生だって、落ちは分かってやってるんだから、偉いよ。でなきゃ、トリに弾かせないからね。山ちゃん、ギターヒーローだねえ。
新しき日本語ロックの道と光

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