イタいと半ば思いつつも、面白かった。ファンにしてみれば、スキャンダルの真相なんて分かるわけがない。
ブライアン・ジョーンズの死の真相にしたって、マリアンヌ・フェイスフルの自殺未遂にしたって、その他諸々、そんなことの真相なんて分かるわけがない。ここで山川氏がやろうとしているのは、自分にとってはあれはこうとしか考えられないんだ、オレは絶対こういうことだと信じているんだ、という自分の
ストーンズの神話の解釈を語ることだ。真相がどうであれ、我々1人1人がそうして色々なことを考えたり感じたりすること、それが重要だし、一番面白くて素晴らしいことなんじゃないのかな。当然、それは他人が見れば絶対イタイものになるけど。最近、電話帳みたいな分厚い
ストーンズの歴史を書いた本も出ているが、歴
史書を書くような大仕事も意義のあることだけど、やっぱりこういうものの方が面白いんじゃないのかな。歴史の研究書と講談本を比べるようなものかもしれないけど。