「ウェブ進化論」を読む---Web 2.0と国家---
- 作者: 梅田望夫
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2006/02/07
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やっと読了。山のような付箋(ポストイットだけど)だらけにしてしまった。こんなに付けると、結局もう1回読めと言っているようなもので、わざわざつける意味がない。
全体通じて思ったことは、「Web2.0というのは、民主的共産主義だ」ということだ。つまり、独裁的でもなく、資本主義でもない。
民主主義 | 独裁主義 | |
---|---|---|
資本主義 | アメリカ | 今のロシア、中国 |
共産主義 | Web 2.0の世界 | 昔のソ連、中国 |
今のところ、Web 2.0はバーチャルなネット上にしかない仮想空間世界の話だ。しかし、インターネットがリアルなコミュニティーとなり、国土を持つような日が100年後にはやってきたりするのだろうか?もし、そんなことがあるとしたら、国土なんて言う概念が意味を持たなくなるということだろうが。一番簡単に想像出来るのは、リアルな国家とバーチャルなネット上の境界無き世界の2つが共存する、という今の世界の延長線上だが、リアルとバーチャルの間の境目は決壊しないのか?それとも、リアルの秩序は常にバーチャルの秩序に対して優位性を保ち続けることが出来るのだろうか?
選挙期間中のホームページ更新の禁止という話題がこの前あったけれど、それは典型的な旧世界の秩序を守ろうという動きだ。政治家もこうしたところに対しては敏感というか、本能的な危機感が機能したわけで、逆に言えば、旧世代としては尤もな反応なのだ。優秀な守旧派、ということだ。ネットで世界が動くようになれば直接民主主義が可能になってしまうのだから、間接民主主義業界で働く政治屋が抵抗するのは尤もなことなのだ。
ジョン・レノンが生きていたら、「イマジン」に"Imagine all the people living in the web"という歌詞を付け加えただろうか?