「アトムと寅さん」

アトムと寅さん 壮大な夢の正体

アトムと寅さん 壮大な夢の正体

 読了。戦後民主主義体制下での共産党的なものの文化的なアイコンとして、手塚治虫と寅さんを論じるという主旨ではあるが、いたるところ脱線しまくる対談。まあそこそこ面白かったか、という感じ。
 そう言えば、寅さんって、元祖妹萌え〜なんだなあ。だから、いつまでも身を固められない訳だ。今でも、浅草で上映すると「よっ、待ってました、寅さん!」なんて声がかかったりするんだろうか?
 アトムといえば、昔、原発反対運動のビラで、アトムとウランが「お前ら危ないから、こっちに来るな!出てけ〜!」といじめられるマンガがあって爆笑したなあ。あれ傑作。アトムもそうだが、ウランっていったらそのものだもんな。原子力エンジンを積んで、敵と戦って大暴れはするわ、空は飛ぶわじゃ、そりゃ危ない。あれは、アトムが書かれたころに、人々がどれだけ原子力に夢と期待を抱いていたかということの象徴ですね。取っておけば良かった。広瀬隆が「東京に原発を」なんて本を出したり、アトミックカフェとか、辻本清美が「全漱石」なんて言うのを企画したりしていたころ。