「BECK MUSIC GUIDE」
- 作者: ハロルド作石,月刊少年マガジン編集部
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/10/17
- メディア: コミック
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当然、何故この人がこの扱いなんだというのは言い出すといろいろある。まあ、それは趣味もあるんだし、全てのアーティストを取り上げることが出来る訳でもないし、教科書のような”ロック正史”なんてある訳もないし、あっても読みたくないが。でも、面白いから、ガキに返って、いろいろ言ってみると。
ジミヘンに比べて、ジャニスとジム・モリスンの扱いが軽い。グラムロックの代表がTレックスというのは、ムーブメントの説明としては正しい選択だけど、デヴィッド・ボウイのポジションが低い。ストーンズやツェッペリンに比べて、いつものことだが、フーが無視されてる。なのに何故、スミスやイギーポップやラモーンズがこんなポジションなんだ?流石に過大評価では?スミスだって、同時代的には日本じゃ全然人気無かった。いつの間にスライやJBがこんなに評価されるようになったのか?嬉しい。でも、最近の流れの割にはカーティス・メイフィールドやマービン・ゲイはそれほどでもなかったりする。後、個人的にはオルタナティブって、ニルヴァーナもパール・ジャムもそこまで凄いか?と言う気がずっとしている。何だか、無理に90年代の音楽という言い方をするために作られたカテゴリーという気がしてならない。でも、若い子たちが良いというなら、それがポップミュージックとしては絶対だという美学もあるし、オヤジ的にはつべこべ言いませんが。それから、ジャック・ジョンソンで思い出したけど、ウエストコーストの70年代のバンドってどう評価するかっていうのも難しいかも。「歴史」の本だったら触れない訳にはいかない。イーグルスとかDoobieは、丸くなって晩節汚れたという感もあるから、今評価するのって難しいだろうな。リトル・フィートの方が今の状況では伝説を作って再評価しやすいかもしれない。そもそも、あれはアメリカで車飛ばしながら聴く音楽だから、他の国ではファッションにならないとダメかもしれない。あと、こういう本で日本人的に難しいのは、やっぱり、ボブ・ディランの扱いでしょう。ビートルズやジミヘンと並ぶくらいの超ビッグネームだけど、「風に吹かれて」辺り止まりになってしまうんだよねえ。そう、そう意味では、ニール・ヤングはグランジのゴッドファーザーみたいな扱いになっているんだから、CSN&Yだけでなく、扱われても良かったと思うけどね。まあ、その見方ってある意味では正しいけど、彼の振幅から見ると一面に過ぎないからどう扱うのか難しいと思うけれど。スプリングスティーンもそうだね。ジャンルに入るミュージシャンってやっぱり、こういうところも含めて宣伝的にはやりやすいから有利なんだろうなあ。
まあ、この辺の取捨選択が「BECK」らしさだと言ってしまえば、それまでだけど。それにしても、これ凄いマンガだな。「ジム・モリスンのパクリだろうが〜」というセリフが出てくるマンガが今頃出てくるなんて信じられないよ。このギャグだけで全て許します。