イタリア映画祭2005 (3)4月30日

golgo1392005-04-30

  • 一日に4本見たのって、何年ぶりだろう。パスポート買ってしまったのが運の尽き。でも、30分前に開場だと、昼飯食う時間がないっつうの。結局、売店のサンドイッチを食べることになる。そんなに混んでいないので、早い整理券は余り意味ないのだけれど、サンドイッチは絶対売り切れるので、サンドイッチゲットのためには役に立つかも。せめて、昼だけは30分ずらして欲しい。それに、次回の入場で並ばされると、サイン会行けなかったToT
  • 今日も二人の女優様、それぞれの出演作の前後に御光臨。ニコレッタ・ロマノフたん、パツキン&100頭身のスーパー・バービーという感じ。さすがに、無茶苦茶かわいい。名前からしてロシア系なのだろうか?透き通るような色白で、確かに、ロシア美人っぽい。「私のことを覚えていて」では、背伸びした17歳という役柄もあって、化粧濃いけど、舞台の生本人はあどけなさも残る感じ。足が長すぎて持て余しているのか、足をクロスするのが癖のようだ。昨日から、ずっと、X脚。オリヴィア・マニャーニちゃん、大女優アンナ・マニャーニのお孫様、だそうで、成る程、三世女優ともなると、舞台が板に付いているという感じ。おばあちゃんと同じで、気さくで性格良さそうな感じで、超好印象。でも、イタリアではこの二人どういう感じなんだろう?仕事暇だし、招待されちゃったから日本行く〜みたいなノリなのかな?二人とも重要な役だけど、主演という役所でもないし。まあ、どうせ呼ぶなら、こういう若くてピチピチの綺麗な女優さんが嬉しいに決まってるけど。
  • 10:30 J 「私のことを覚えていて」Ricordati di me (Gabriele Muccino)
    • 2003年/120分/監督:ガブリエーレ・ムッチーノ
    • 父親は小説家になりたかったが、書きかけの小説は長いことほったらかしのまま。ふとしたことから出会った昔の愛人と焼けぼっくいが燃え上がる。母親は舞台女優になるのが夢だったけど、教師の仕事と子育てに忙殺され忘れかけていたその夢が、友達の薦めでこれも再燃。長女はタレントになるのが夢で、オーディションを受けに行ったり、業界人に取り入ったりと、野心満々。長男は一番うだつが上がらず、好きな娘にも姉にも馬鹿にされているが、親のカードをくすねてマリファナ・パーティーで一発大逆転を狙おうとする。家族は崩壊の危機を迎えるが、そのとき、家を飛び出そうとした父が自動車にぶつかり、そして、…。と書くと、ものすごく通俗的なドラマで(実際そういう話だが)、何が面白いか全然分からないんだけど、これをとにかくみんな絶叫マシーンとなって大声でわめきまくり、怪獣のように物を壊しまくり、異性という異性に対してさかりをつけまくる、そのテンポで見せられてしまう。この筋力、精力、絶倫国家イタリアここにありという感じ。その挙げ句、やっぱり家族は素晴らしいね、という結論になってしまうんだから、これは死んでもかなわない(笑)。ママ、家族に向かって言うこととやっていることが矛盾しすぎ(笑)。家族なんて建前で持っているような物だから、こういう風に時々ガス抜き思いっきりやるのが必要なのかもね。
  • 13:20 I 「ローマの人々」 Gente di Roma (Ettore Scola)
    • 2003年/93分/監督:エットレ・スコラ
    • ローマのあちこちの出来事がドキュメンタリー風に次から次へと登場する。移民問題に関するバス内のインタビュアー(?)、左翼の集会、リストラされる労働者、老人ホーム送りされるおじいちゃんの毒舌大爆発、浮浪者の喧嘩、信号待ちの車に群がる物乞い、等々。これもテンポ良い。
  • 15:50 F 「愛の果てへの旅」 Le conseguenze dell' amore (Paolo Sorrentino)
    • 2004年/100分/監督:パオロ・ソレンティー
    • ここまでびしっと決めまくると、後一歩で笑ってしまいそうな暗黒街ミステリー物。あぶない謎のオヤジの話。最後のコンクリート詰めもあそこまでやると笑っちゃいそうになった。前半はこのオヤジの嫌なオヤジっぷりに引っ張られてみてしまう。意地悪爺さんっぷりが徹底していて、なかなか楽しませてくれる。仕事が始まるときの、あの車で出動するときのテーマ曲が、なんか凄い。突然輝き始める感じ。こういういわゆるフィルムノワール的な題材の話にしては、照明の陰影で不安感をあおるとか、男の友情みたいなホモセクシャルソサエティーの要素もない。そこの感覚がむしろ新鮮。銀行で札束をわざわざ数えさせるところとか、没落貴族のいかさまトランプなんかの場面は、なかなか面白い。ヨーロッパの雰囲気が随所に感じられて、なかなか良かった。作品としてのトーンをしっかり決めるのが、やっぱりイタリアはうまい。
  • 18:20 G 「私をここから連れ出して」 Prendimi (e portami via) (Tonino Zangardi)
    • 2004年/95分/監督:トニーノ・ザンガルディ
    • ジプシーの少女と低所得層の住宅地域の少年の小さな恋の物語。なかなかの佳作。ジプシーの世界の乱暴さとか、地元民の卑怯さとか、正面から押さえて描く、その筆致と勇気がいい。日本だとこういう社会問題をこういう視点でありのまま描くと言うこと出来た試しがないのでは?「私のことを覚えていて」でも、お姉ちゃんが、弟に向かって『左翼的なファッションでダサイ』と断罪する場面が出てきたけど、政治の話がそういう身近な問題として出てくるあたりの風土ってなかなかピンとこないので、ドキッとする。